第32回 WBSC U-18ベースボールワールドカップは決勝で米国に敗れ、準優勝に終わった侍ジャパンU18代表。チーム唯一の2年生として、大役を担った末吉良丞投手(沖縄尚学)は、地元・沖縄の大観衆の前で決勝の先発マウンドに上がった。粘りの投球を見せるも4回途中で降板となり、チームも敗戦。悔しさを胸に、来年のリベンジを誓った。
1万6千人の大声援を背に粘投
甲子園優勝投手が、今度は世界の頂点をかけたマウンドに立った。地元・沖縄セルラースタジアム那覇を埋め尽くした1万6693人の大観衆から、ひときわ大きな声援を受けて末吉良丞投手は腕を振った。初回、2回と得点圏に走者を背負う苦しい立ち上がりとなったが、緩急をつけた投球で後続を断ち切り得点を許さない。3回は三者凡退に抑えたが、4回に3連打を浴びて先制点を奪われたところで降板。3回1/3を5安打1失点という結果に終わった。
「チームを勝たせる投球をしようとマウンドに立っていたんですけど、序盤は制球が定まらなかった」と悔やんだ末吉投手。「四球が失点につながることを痛感した試合」と、大舞台での反省点を口にした。
3年生から得た大きな財産
今夏の甲子園を制したとはいえ、秋季大会を控える大事な時期の2年生を代表入りさせることには、小倉全由監督にも葛藤があった。それでも「世界一にどうしても必要」という指揮官の熱意で唯一の2年生メンバーに選出された。当初の懸念をよそに、末吉投手は19人の3年生に支えられ、多くのことを学んだという。
「普段関わることができない選手たちに面倒を見てもらって、いろんなところを吸収できた。各選手のモチベーションの高さ、野球に対するひたむきさが一番印象に残りました」と、先輩たちへの感謝と得られた経験の大きさを語った。
悔しさを胸に誓うリベンジ
試合後、歓喜に沸く米国ナインの姿をベンチから見つめた末吉投手は、この悔しさを来年晴らすことを誓った。「準優勝に終わってしまったので、また選ばれるなら、次の世界一を目指して頑張っていきたい」。唯一、今大会で世界を知った16歳が、来年の侍ジャパンを牽引する存在になるべく、新たなスタートを切る。
来年は織田翔希投手や菰田陽生選手を引き連れて、アジアの頂点を目指す事になりそうで、末吉投手はその中心選手として頂点を取ってくれるだろう。
末吉 良丞 プロフィール
- 氏名:末吉 良丞(すえよし りょうすけ)
- 所属:沖縄尚学高校 2年
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 主な特徴や実績:2025年夏の甲子園優勝投手。U-18 W杯では唯一の2年生として選出され、決勝の米国戦に先発。最速150キロの速球が武器の本格派左腕。












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