今秋ドラフトの超目玉、健大高崎の最速158キロ右腕・石垣元気投手(18)の進路を巡り、日米の大争奪戦の様相を呈し始めた。進路については国内のプロ野球に絞った事を伝えられ、22日にはNPB球団の先陣を切って巨人とヤクルトが面談を行った一方、ドジャースなど10球団前後のメジャーリーグ球団が獲得に強い意欲を示しているという。高校No.1投手の動向に日米の球界が注目している。
NPB球団が早速接触、巨人とヤクルトが面談
運命のドラフト会議まで約1ヶ月となったこの日、9月18日にプロ志望届を提出した石垣元気投手のもとへ、早速NPB球団が訪れた。22日には巨人の大場豊千スカウトらが約1時間の面談を実施。石垣投手は「いろいろと巨人のことを知ることができて良かった。」と話し、「面白い方で楽しい時間になりました」と大場スカウトへの信頼感も口にした。同日には東京ヤクルトとも面談を行っており、今後もNPB球団との面談を重ねていく予定だ。
U18W杯で評価急騰、ドジャースなどメジャー10球団が争奪戦
石垣投手はすでに国内のプロ野球に進むとしているが、先日沖縄で行われたU18W杯でその雰囲気が変わってきている。MLBドラフト候補が並ぶ米国打線に対し、スーパーラウンドと決勝の2試合で計4回1/3を無安打に抑え込む圧巻の投球を披露。自己最速に迫る157.9キロを計測した剛腕に、現地で視察した20球団以上のメジャー球団の評価が急騰した。現在、ドジャースやフィリーズなど10球団前後が、面談を含む本格的な獲得交渉に意欲を示しているといい、メジャー側の石垣投手への熱量が上昇してきている。
昨年、桐朋高の森井翔太郎選手がNPBドラフトを経ずにアスレチックスと契約を結んだが、その契約金は日本のドラフト1位指名選手(契約金1億円+出来高5000万円)を上回る2億4千万円(推定)だった。石垣投手にメジャー球団はNPBの契約金上限(1億円)を大幅に上回る最大250万ドル(約3億7000万円)規模の好条件を用意しているとみられている。
日本の球団の力
かつて花巻東の大谷翔平選手が、ドラフト直前にメジャー挑戦を表明し、強行指名した北海道日本ハムが説得の末に入団に至った例がある。今回は、メジャー球団側が育成環境や金銭面でNPBを上回る魅力的な「プレゼン」を行えば、現在は国内プロを明言している石垣投手だが、逆にメジャー挑戦にかじを切る可能性もある。石垣投手も国内一本としているが、メジャー球団との交渉の扉を閉じているわけではなく、これから面談などで話を聞くものと見られる。
日本と世界の経済的な価格差により、日本の野球市場も外資に支配されつつある。野球の中継はDAZNが、そして来年のWBCはネットフリックスが日本国内での独占配信権を獲得した。プロ野球自体は球団オーナーの承認制であり、国内の企業しか参入を認めない形で守っているものの、年俸などの格差はMLBと比較ができないくらいに広がってきている。
今後、日本の高校や大学でプレーする選手が直接MLBに向かうようになったとき、日本の野球は終わりに進んでいくと見られる。ドラフト1位の契約金1億円+出来高5000万円で、3億円以上を提示するメジャーと太刀打ちできるのか。日本の力が試されている。
石垣 元気 プロフィール
- 氏名:石垣 元気(いしがき げんき)
- 所属:健康福祉大学高崎高校 3年
- 出身:北海道登別市
- ポジション:投手
- 投打:右投両打
- 身長・体重:180cm・78kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト1位候補。最速158キロ。U-18 W杯で日本の守護神として準優勝に貢献。2024年選抜高校野球大会優勝。4季連続甲子園出場。






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