明治神宮野球大会は本日11月19日に高校の部の決勝戦が行われ、近畿王者の神戸国際大付(兵庫)と九州王者の九州国際大付(福岡)が激突する。両校ともに勝てば初優勝となるこの一戦だが、注目されるのは優勝旗の行方だけではない。勝者の地区に与えられる来春センバツ甲子園の「神宮大会枠」1枠を巡り、ボーダーライン上の高校にとっては運命を左右する大一番となる。
47年ぶりの近畿vs九州決戦、勝者が「神宮枠」獲得
高校の部の決勝カードは、神戸国際大付対九州国際大付。近畿王者と九州王者の決勝対決は、1978年の第9回大会以来、実に47年ぶり2回目となる。近畿勢が勝てば2022年の大阪桐蔭以来3年ぶり、九州勢なら2013年の沖縄尚学以来13年ぶりの優勝だ。
そして、この試合の勝敗は来春の第98回選抜高校野球大会の出場校選考に直結する。優勝地区には通常の一般選考枠に加え、「神宮枠」として出場枠が1つプラスされるためだ。近畿か、九州か。この1勝が、遠く離れた地で吉報を待つ球児たちの運命を変える。
近畿勝利なら「7枠目」争いは混沌、天理らに光?
近畿地区の一般選考枠は「6」。秋季近畿大会4強の神戸国際大付、智弁学園(奈良)、滋賀学園(滋賀)、大阪桐蔭(大阪)は当確ランプが灯る。残る2枠は、準々決勝で1点差の接戦を演じた東洋大姫路(兵庫)と近江(滋賀)の評価が高い。
もし神戸国際大付が優勝し、近畿に神宮枠がもたらされれば、枠は「7」に広がる。その場合、浮上してくるのがベスト8で敗退した橿原学院(奈良)や天理(奈良)だ。天理は準々決勝で大阪桐蔭にコールド負けを喫したが、名門の実力は侮れない。橿原学院は神戸国際大付にノーヒットノーランを許したものの、3失点と食らいついた。地域性を考慮すれば、府県大会優勝校の近大新宮(和歌山)や龍谷大平安(京都)なども議論の対象になりそうで、選考は激戦必至だ。
九州勝利なら沖縄尚学が浮上か、夏Vメンバー再来の期待
一方、九州国際大付が優勝し、九州に神宮枠がもたらされた場合はどうなるか。九州の一般選考枠は「4」。4強の九州国際大付、長崎日大(長崎)、神村学園(鹿児島)、熊本工(熊本)が有力視される。
注目の「5枠目」争いは大混戦だ。準々決勝敗退の4校(小林西、日本ウェルネス、長崎西、沖縄尚学)はいずれも接戦で涙をのんだ。ここで有力候補として名前が挙がるのが、沖縄王者の沖縄尚学だ。
各県の1位校を尊重する選考傾向になれば、宮崎王者の小林西や沖縄尚学が優勢となる。もし沖縄尚学が選出されれば、今夏の甲子園優勝メンバーであり、現在は2年生の末吉良丞選手や新垣有絃選手らが、再び聖地の土を踏むことになる。甲子園を沸かせたスター候補たちの再登場となる可能性も出てくる。
いずれにしてもまずは、ホームランを量産している神戸国際大付と、牟禮翔選手など打力で負けていない九州国際大付の決着がどのようになるのか、注目したい。








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