横浜高校が22日に今秋の東北王者・花巻東高校と練習試合を行い、1-0で勝利した。来秋のドラフト1位候補に挙がる最速154キロ右腕・織田翔希投手(2年)が、5回から2番手として登板すると、5イニングを投げ2安打無失点、7奪三振の快投を披露。ネット裏のメジャースカウトも絶賛の内容で、世代屈指の実力を証明した。
自己最速154キロ右腕、東北王者をねじ伏せる
明治神宮大会にも出場した強豪・花巻東を相手に、織田翔希投手が異次元の投球を見せた。5回からマウンドに上がると、149キロを計測した直球とカーブを軸に三振の山を築く。「素晴らしい経験をさせていただいた。こういうチームを抑えて勝てると、上のレベルでも戦っていける」と手応えを口にした。
今月上旬には自己最速を更新する154キロをマークした。これまでは体が成長している状態でトウエートレーニングは控えていたというが、秋の関東大会終了後にそれを解禁し、筋力アップが球速へと繋がった。
それでも本人は「球速は全然どうでもよくて。勝たせる投手になるための1つ」と数字には関心を示さず、この日の149キロにも、「悪くはなかったが、理想としているボールにはほど遠いと感じています」と話し、「勝たせる投手になるための1つとして球速。コントロールや変化球や信頼関係などが大事になってくる。やっぱり球速を意識することはないですね」と重ねた。
それでも、「1年生の頃と比べると体を上手く使って、地面のエネルギーを伝えて投げられるようになりました」と手応えを感じていた。
新兵器は「涌井式カットボール」
伸ばしているのは球速だけではない。秋の関東大会後、村田浩明監督から「涌井式カットボール」を伝授された。村田監督が現役時代に横浜高でバッテリーを組んでいた、現中日ドラゴンズ・涌井秀章投手の代名詞とも言えるボールで、これまでのスライダーやカットボールの課題を解消する切れ味鋭い新球に、「投球の幅が広がる」と好感触を得ている。
メジャースカウト断言「間違いなくドラ1競合」
この日は中日のスカウトと、MLB球団のスカウトも視察に訪れ、そのポテンシャルの高さに衝撃を受けた様子だった。
MLB球団スカウト「来年のNPBドラフトでは間違いなく、1位競合指名になるだろう」
高校通算25本塁打を放ち、明治神宮大会でも豪快な一発を放った世代屈指のスラッガー、花巻東の4番・古城大翔選手との対戦は、最初の対戦で安打を許すも、9回の第2打席では直球で詰まらせて一飛に仕留めた。村田監督も「見応えのある対戦」と話し、冬のトレーニング期間を前に大きな収穫を得た。
来年は同学年の高校生だけでなく、大学生投手、社会人にも楽しみな投手がおり、そして近年はプロ球団が野手の強化を優先する事から、たとえ織田選手であっても1位指名で競合するかはわからない所がある。しかし、球の質や投球の内容を見ても、1998年の松坂大輔投手くらいの力があると思う。普通に行けば3球団くらいの1位指名競合になる投手だろう。
織田翔希 プロフィール
- 氏名: 織田 翔希(おだ・しょうき)
- 所属: 横浜高校(2年)
- 出身: 福岡県北九州市
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 185cm、77kg
- 主な特徴や実績: 最速154キロの直球と多彩な変化球を操る世代No.1右腕。185cmの長身からしなやかに腕を振る。新球「涌井式カット」も習得中。来秋ドラフトの目玉候補として日米のスカウトが注目する。









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