都市対抗野球近畿地区2次予選では、第5代表決定トーナメントの1回戦で、NTT西日本が伊原陵人投手、水島滉陽選手のプロ注目コンビの活躍で日本新薬に勝利した。
中日スカウト「球の力がある」
先発したプロ注目左腕の伊原陵人投手は、この日、6回を投げて5安打6奪三振無失点に抑える好投を見せた。「良くも悪くもなくという感じでした。一戦必勝。もちろん緊張はありましたが、負けられない一戦を任せてもらったことが一番うれしい。ゼロに抑えて勝つことしか考えてなかったです」と話した。
170cmの左腕投手は智弁学園から大商大に進むと、ともにキレの良い球を投げるサウスポーとしてプロも注目した。球速も140キロ後半を出していたが、「大学2年までは投げられていたんですけど。」と話し、左肩痛に悩まされて球速はそれ以上出なくなっていた。
しかし、社会人2年目の今年はオフに全身のウエートトレーニングに励み、その成果が表れてきた。投球フォームも「投げ急がず、前足が着くまで前を向かないように意識しています。それがうまくハマっています」と話す。この日も最速148キロを記録し、140キロ台後半のストレートで勝負する。「球速という部分では正直伸び悩んでいた部分はあったので、戻ったかなという感覚です。今年に関しては全体的にスピード感は上がっているし、そこは去年と違うところかなと思います」と話した。
この日は中日、阪神、オリックスなど複数球団のスカウトが視察をしたが、中日の山本スカウトは「平均球速が大学4年時よりも10キロ近く上がっている。大学時代は球の強さが欠けていたが、今は球の強さもあります」と話し、大学4年時の評価よりも高くなっているとした。
大学4年時はドラフト会議で指名漏れを経験した。今年はそのプロ入りを目指す事になるが、「何としてでも、という思いはありますが、与えられたところで活躍し、チームを勝たす投球ができればおのずと結果はついてくる。特別は意識していないです」と話した。
かなり高い確率でドラフト会議での指名がありそうで、まずはこの都市対抗の2次予選、そして本戦で好投と140キロ後半の球を見せ続けたい。
泉口選手に続け
またこの日は1番ショートで出場した、こちらもプロ注目の水島滉陽選手が勝負どころでの活躍を見せた。
0-0の3回、1,2塁にランナーを置いた場面でレフト前にヒットを打って先制点を挙げると、2点リードの5回にもノーアウト1塁の場面でレフト前にヒット、チャンスを拡大させて、満塁ホームランなどによる一挙5得点につなげた。
水野選手は拓大紅陵から東京情報大に進み、大学1年春にベストナインを獲得、3年春には首位打者も獲得している。チームでは昨年、泉口友汰選手が巨人のドラフト4位で指名されたが、「どう組織的に守っていくか、周りとコミュニケーションをとりながらやっています。余裕ができて、指示する力は伸びてきたと思います」と話し、現在はチームの内野陣を引っ張っり、そしてプロ入りを目指している。
173cm76kgの左打ちの遊撃手、プロだと北海道日本ハムに2021年のドラフト3位で指名された水野達稀選手が活躍を見せているが、水野選手は都市対抗の本戦で長打力を見せるなど大きなアピールをみせていた。できれば水島選手も、長打もある所も見せて続いて欲しいとは思うが、この都市対抗本戦への戦いがプロへとつながっていくのは間違いない。


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