社会人野球の日本選手権近畿地区最終予選で、今夏の都市対抗4強の日本生命が創部2年目のムラチグループに苦戦を強いられたが、ルーキーの中津大和外野手(22歳=法政大)が決勝打を放ち、3-2で辛くも初戦を突破した。新人ながら1番に定着する逸材は、来秋のドラフト会議での指名へ向けて力強く意気込みを語った。
新人1番がV打、苦しむ名門を救う
名門が新鋭チームを相手に思わぬ苦戦を強いられた。3回までに2点をリードされる展開。7回にようやく同点に追いつき、迎えた8回2死一、三塁の好機で打席に立ったのが、ルーキーの中津大和選手だった。「初球から積極的に振っていこうと思っていました」と、言葉通りに初球を振り抜くと、打球はライト前に落ちる決勝のタイムリーヒットとなった。
高校時代にショートでの守備力に注目され、法政大では外野手に転向し、俊足外野手としてアピールしてプロ志望届を提出したが、ドラフト会議での指名はなかった。そして日本生命に進むと1年目ながら1番打者に定着。今夏の都市対抗野球でもチームの4強入りに大きく貢献した。
勝負所での一打に、「入社してから監督に色々と助けてもらって打撃フォームが安定し、結果が残せるようになりました」と、成長への手応えを語った。
来秋ドラフトへ「時間は長いようで短い」
50m5秒9の俊足とパンチ力のある打撃を武器に、社会人1年目から存在感を示す中津選手は、すでに来年のドラフト会議を見据えている。「来年までの時間は長いようで短いと思う。しっかりとプロを目指してやっていきたいです」と、明確に目標を口にした。
日本生命にはエースの谷脇弘起投手や真野凜風投手なども、大学でプロ志望をしながら指名漏れとなり日本生命でプロ入りを目指している。今年2年目で指名解禁となったものの、プロ入りに向けては高い壁もあり、大学時ほど名前が挙がっているとは言えない状況だ。
社会人野球はずっとプレーできるものの、プロ入りとなると指名解禁の年から2,3年くらいまでで指名されないと難しくなる。大学卒だと社会人野球で少なくとも4年目くらいまでに指名を受けなければならず、そしてやはりチャンスが大きいのは指名解禁の年となる。
特に外野手で、左打ちの選手というのは、プロ側の需要が少なく、難しいポジションであることは間違いない。しかし、近本光司選手だったり、度会隆輝選手にように、都市対抗で爆発すれば、ドラフト1位での指名だってあり得る。
ルーキーだった今年の都市対抗本戦は、1番センターで4試合に出場したものの18打数4安打で打率.222だった。来年の本戦では打率4割以上、できれば2本塁打くらいを放ち、ドラフト1位候補くらいに評価されなければプロ入りは難しいと思って、活躍を期待したい。
中津 大和 プロフィール
- 氏名:中津 大和(なかつ やまと)
- 所属:日本生命
- 出身:小松大谷高校 – 法政大学
- ポジション:外野手
- 投打:右投左打
- 身長・体重:178cm・80kg
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。50メートル5秒9の俊足とパンチ力が武器の1番打者。法政大学から入社1年目で都市対抗4強に貢献。

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