南東北大学リーグで通算34勝を挙げた東日本国際大・船迫大雅投手、今年のドラフトではプロ志望届を提出し待ったものの指名はなく、「生きてきた中で一番屈辱的な1日」と経験したと話した。西濃運輸で球速を伸ばし、2年後のプロ入りを目指す。
立ち直るまで3週間くらいかかった
リーグ通算34勝を挙げた東日本国際大の大エースだった船迫大雅投手だが、今年のドラフト会議では、「生きてきた中で一番屈辱的な1日」と話す悔しさを経験した。チームで同じく先発で投げていた粟津凱士投手が埼玉西武にドラフト4位で指名され、結局最後まで名前が呼ばれなかった。当日は明るく振る舞い、その後の明治神宮大会出場にも力を見せたものの、「3週間くらい、かかりましたね。何してんだオレって感じ。」と、ドラフトで指名漏れした悔しさは大きかった。
それでも、ようやく視線を前に向けることができたようだ。社会人野球の強豪・西濃運輸に進むことが決まり、12月4日にはチームのある岐阜に行き、来年、西濃運輸に入る同期や先輩と食事会を行った。「そこで完全にスイッチが入りました。高校、大学だけでなく、力の差を見せつけて社会人でもエースに。日本一になるために限界突破を掲げて、もっと成長したい」と話した。
船迫投手が指名されなかった理由としては、まずは球速が最速で144キロだったこと、またリーグ戦では1シーズンをほぼ5勝0敗で終える無敵の投球を見せたが、大学野球選手権では1勝どまりだった。「結果を出すには、まっすぐの球速アップ。三振をとれる投手になることが理想」と話し、「そのためには体を大きく」と話した。球速を150キロ台に乗せれば、プロのスカウトの視線も変わってくる。
西濃運輸は都市対抗の常連で、都市対抗や日本選手権などの大きな舞台にも近い位置にいる。それでも社会人の東海地区はトヨタ自動車や三菱重工名古屋、ヤマハ、東海理化、王子など強豪がひしめく大激戦のエリアで、まずは大舞台にチームを導く活躍が期待される。自らの手でその舞台を掴み、東京ドームや京セラドームで150キロを計測すれば、2020年のドラフト会議での指名が見えてくる。
目標は明確だ。それに向かう時も、そしてそれを達成した時も、大学時に積み上げた実績が船迫選手の背中を押してくれるだろう。絶対に無駄ではない。
主なドラフト指名漏れ選手
2018年ドラフト会議 指名選手一覧
引退し、野球を続けることができない仲間もいることを、あらためて実感。頭に浮かんだのは聖光学院(福島)時代の恩師・斎藤智也監督(55)が話してくれていた「起こることは、すべて必然」の言葉だった。「3週間くらい、かかりましたね。何してんだオレって感じ。すべては将来に意味があることだと思えています」と苦笑い。今月4日に岐阜に出向き、来春入社の同期と野球部の先輩で食事会に参加。「そこで完全にスイッチが入りました。高校、大学だけでなく、力の差を見せつけて社会人でもエースに。日本一になるために『限界突破』を掲げて、もっと成長したい」。プロの“先輩”となる粟津とも交流をさらに密にし、吸収するつもりだ。
コメント