藤平尚真投手、寺島成輝投手、今井達也投手、堀瑞輝投手が高校生投手で1位指名された2016年のドラフト会議、プロ志望をしなかった選手が今年、大学生のドラフト候補として上位指名も予想される。
2016年の高校野球
まずは2016年のドラフト会議の指名選手はこちら。ドラフト1位で高校生投手が続々と指名され、2位でも広島が高橋昂也投手、ソフトバンクが古谷優人投手、3位で阪神が才木浩人投手、千葉ロッテが島孝明投手が指名された。高校生野手で最初に指名されたのがオリックス3位の岡崎大輔(花咲徳栄)で、高校生の投手が注目された年だった。
甲子園大会でも投手の活躍ぶりが見られた。センバツでは智弁学園が村上頌樹投手の好投で優勝したが、東邦の藤嶋健人投手が1回戦で完封、木更津総合の早川隆久投手や大阪桐蔭の高山優希投手、創志学園の高田萌生投手、敦賀気比の山崎颯一郎投手なども好投を見せる。
準々決勝では木更津総合と対戦した秀岳館の有村大誠投手が好投し、ベスト4に勝ち上がる。準決勝ではその秀岳館を高松商が下し、決勝は智弁学園の村上投手と高松商の浦大輝投手が延長11回まで投げ合い、智弁学園が優勝した。
夏の大会も1回戦から高川学園の山野太一投手と横浜の藤平投手が投げ合い、2回戦ではその藤平投手と履正社の寺島投手が投げ合った。常総の鈴木昭汰投手、広島新庄の堀投手、樟南の浜屋将太投手、富山第一の森圭名投手、花咲徳栄の高橋昂也投手なども好投を見せると、木更津総合の早川投手は2回戦、3回戦で連続完封勝利を挙げた。
準々決勝ではその早川との投げ合いを作新学院の今井達也投手が制し、秀岳館も2年生の川端健斗投手を中心に有村投手がリリーフで抑えて勝ち上がるが、準決勝では北海の大西健斗投手が立ちふさがり、決勝では今井、大西のエース対決で今井が勝利した。
プロ志望をしなかった選手
多くの投手が注目された年、高校生も様々な進路の決断をした。
江陵の154キロ左腕・古谷優人投手や八戸工大一の種市篤暉投手、二松学舎大付の大江竜聖投手、近江の京山将弥投手、大体大浪商の西田光汰投手、履正社の山口裕次郎投手、須磨翔風の才木浩人投手、松山聖稜のアドゥワ誠投手、九産大九産の梅野雄吾投手、福岡大大濠の浜地真澄投手、そして都城の山本由伸投手がプロ志望をし、山本投手や種市投手は中位から下位で指名されたものの、プロでは球界を代表するような投手になった。
履正社の山口投手は北海道日本ハムに5位で指名されたもののJR東日本に進み、大体大浪商の西田投手は指名がなくJR東日本へ進んだ。
逆に北海の大西健斗投手、角館の小木田敦也投手、大館鳳鳴の佐藤宏樹投手、仙台育英の中島隼也投手、常総学院の鈴木昭汰投手、作新学院の入江大生投手、木更津総合の早川隆久投手、横浜の石川達也投手、平塚学園の高田孝一投手、静岡の村木文哉投手、中京大中京の長谷部銀次投手、智弁学園の村上頌樹投手、明石商の山崎伊織投手と吉高壮投手、関西の小郷賢人投手、開星の吉川貴大投手、高川学園の山野太一投手、秀岳館の有村大誠投手、樟南の浜屋将太投手、れいめいの太田龍投手はプロ志望をせず、太田投手や浜屋投手は社会人に進み昨年のドラフト会議で2位で相次いで指名された。
そして今年、早川投手は早大、佐藤投手は慶応大、入江投手は明大、鈴木投手は法大、村上投手は東洋大、山崎投手は東海大、山野投手が東北福祉大、吉川投手が大商大、有村投手が立命館大のエースとして、再びドラフト会議で注目を集める。
有村投手は秀岳館時代のセンバツを振り返り、準々決勝の木更津総合戦・早川投手との投げ合いを振り返る。元々はリリーフでの登板が多かったが、この一戦に鍛治舎監督は有村投手を先発起用すると、8回を投げて6安打1失点、140キロ台の力強いストレートを投げた。0-1でマウンドを降りたのだが、9回裏に打線が早川投手から2点を奪い、逆転サヨナラ勝利、「これが甲子園なんかと。9回2アウトまで本当に何が起こるかわからない。普段とは違うパワーが出るという事をありありと感じました」と話す。
有村投手は立命館大で最速151キロの速球を投げ、再び注目される。大学3年間をプレーしたものの、まだ「あの試合」を超える瞬間は無いと話すが、今年はチームのエースとして、「あの試合を超えるような試合がしたい」と話す。
指名漏れとなった選手
最後に、2016年のドラフト会議で指名漏れとなった選手についても挙げたい。
明秀日立の糸野雄星選手、大体大浪商の西田光汰投手はJR東日本へ進み、指名を断った山口裕次郎投手もJR東日本で今年にかける。神戸国際大付の平内龍太投手は亜細亜大で152キロを投げるまで成長をした。
日本ウェルネスで太い体でショートを守り、豪快なホームランを見せた渡部健人選手も、桐蔭横浜大の主砲としてプロが注目する。
プロ志望届を出さなかった選手、そして指名漏れとなった選手、そして2016年のドラフト会議で指名された選手の中でも、山本投手や種市投手のように大きく飛躍した投手もいれば、既に戦力外となり引退を決断した選手もいる。
2020年のドラフト会議では、4年間大学や社会人で力を付けた投手が、山本由伸に挑戦状をたたきつける。
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