明治大・宗山塁という選手

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宗山塁選手はドラフト1位で何球団が競合するかというクラスだろう。宗山ドラフトと呼ばれるほど今年のドラフト会議の超目玉で象徴的な選手となっている。

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宗山塁という選手

遊撃手として

まず遊撃手の守備についての成長を見てみる。

広陵高校時代からショートの守備を評価されていたが、動きの柔らかさが抜群だったものの、個人的には近江の土田龍空選手(2020年ドラフト3位)や内山壮真選手(2020年ヤクルトドラフト3位)に比べると横や縦の動きのスピード感やハードアプローチの部分で、もう少しという印象があった。また、高校3年時の2020年は新型コロナの感染拡大により春の大会、夏の甲子園大会が中止となった年で、宗山選手は進学を決めていた。

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しかし明治大に進むと1年春にショートのレギュラーを村松開人選手(2022年中日ドラフト2位)から奪うと、特にハンドリングがしなやかで柔らかく、横や縦の動きも力強さが出てきた。

2年までに大学トップと言って良い遊撃手となっていたが、3年になって更に進化し、相手打者の足に合わせて、ファーストにちょうどよい送球ができるまでになった。大学2年の時点でも十分ドラフト上位候補と思っていたが、3年時に更に成長した所に正直驚きを感じた。

プロでもベテランの選手くらいしかできていないのではないかという守備で、源田選手と比較しても良い所まで来ている。今宮選手ほどの肩の強さはないがそれ以外は上回っている、というようにプロの一流のショートと比較したくなる選手だ。

昨年3月に行われたWBCでは源田選手が小指の骨折をしながらも出場し続け、バックアップの阪神・中野選手は、源田選手の出場しない所を一生懸命カバーしていたが、次回のWBCでは守備に関してはショートを争って行ける選手だと思っている。

打者として

広陵高校時は柔らかい打撃で広角にヒットを打っていたが、巧みな打撃の中にハードヒットもあり、高校通算17本と長打力も見せていた。大学1年時に高校よりも強くなったスイングを見せると、大学2年時には春に3本塁打、秋に4本塁打を放った。1年時は構えた所から一直線に投球にコンタクトをする感じだったが、2年時にはやや後ろに引いてから打ち、フォローも前に大きくなって、ハードコンタクトではなくバットでしっかりと運ぶ感じでスタンドまで飛ばしていた。

しかし、2年12月の侍ジャパン大学代表候補強化合宿では打撃練習の状態があまり良く無いと感じた。しかし紅白戦では結果をだしており、試合になると結果を出すタイプかと思っていたが、3年春は打率が.294となり、ホームラン0本に終わった。「低めの変化球の見極め」に課題があったと話しているが、2年時よりもやや腰や右足を大きめに使って、2年時よりも前で打球を捉えようとしている感じもする。

侍ジャパン大学代表として臨んだ日米大学野球では、初見のメジャー予備軍に対して最初の2試合は7打数1安打も3戦目、4戦目はしっかりと対応して安打を打っていたが、5戦目はノーヒットに終わり、まだ本調子ではないように見えた。

3年秋は打率を.340に戻した。打撃を見るとフォームの違いは微妙なもの。ただし捉え方がややハードに球に当てる感じになっており、センターから逆方向への意識も強い印象を受けた。2年時のように運ぶ感じにはなっていないようにも見える。

昨年12月の強化合宿では打撃練習は代表の選手の中では良いとも言えないが、5球ごとに交代するフリー打撃を見ていると、最初にライト方向、次にセンター方向、そして最後はレフト方向と、ゲージに入る毎にテーマを持ち、打ち分けて練習をしているように見えた。楽しみながら練習をしている印象だった。紅白戦では2試合で4打数ノーヒットに終わった。しかし、打球の強さや打撃に関しては昨年よりも良い印象を受けた。

打撃の映像は東京六大学連盟が1年時からのすべての安打をYoutubeに載せているので、あれやこれやと考えることができるし、参考にもできると思う。

宗山塁選手(明治2年)/2021年~2022年 全安打61本(2年間)
【宗山塁選手(明治大学3年)】/2023年春季リーグ戦 全安打15本 通算安打76本
【宗山塁選手(明治大学3年)】/2023年秋季リーグ戦 全安打18本 通算94本

プロでショートとして活躍した侍ジャパントップチーム・井端監督もドラフト1位指名を予想し、西武の源田選手も評価をしている。2028年のWBCでは、ショートのバックアップメンバーには入っていると思う。

ドラフト1位指名ということをすっ飛ばして、将来の日本野球の貴重なショートの候補として考えたくなる選手で、獲得した球団はそういう指名を持って宗山選手を起用してほしいと思う。

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 2024年ドラフト指名予想です。
侍ジャパン大学代表候補合宿2日目、紅白戦で立石正広選手、平野裕亮選手、藤澤涼介選手など存在感
侍ジャパン大学代表候補合宿2日目は紅白戦3試合が行われ、野手は前日のフリー打撃で目立った選手が実戦でも活躍を見せた。全体的に野手のレベルは昨年よりも高かった。
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コメント

  1. 記録上は仰っている内容で正しいですが、開幕前に明治の二遊スタメンがバタついていた背景があります。
    20秋に遊撃でベストナイン獲得した西山が21春3月に怪我したため、春先からセカンドでオープン戦に出ていた村松が3月末から代理でショートに回されました。
    宗山が早くから起用できたのもこのことが理由です。
    結果的に春先からセカンドで準備してたこともあり、村松は宗山ショート固定以降もすんなりセカンドに入れました。

    こういったチーム内序列が公式記録だけからだと分かりづらいというのがあります。

  2. 2021年春の明治大初戦の東大戦で村松選手がショートで出場しましたが、2戦目に村松選手に交代して宗山選手が出場していませんか?
    次の慶大のカードは村松選手がショートでフル、法大戦では1回戦で宗山選手が途中からショート、2回戦では宗山選手がショートでスタメン出場し、その後の早大、立大戦は宗山選手がショートでフル出場しています。

  3. ショートレギュラーは村松ではなく、西山虎太郎(履正社)から奪いました