大学日本代表メンバー選考、堀井監督「投手は縦の変化球・野手は速いボールにアジャストできること」打順予想など

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6月21日から23日まで行なわれた侍ジャパン大学代表選考合宿が終了し、7月8日から開催される日米大学野球選手権大会に出場する侍ジャパン大学日本代表のメンバー26選手が発表された。チームの主将には法政大学の松下歩叶内野手(4年=桐蔭学園)、副主将には中央大学の繁永晟内野手(4年=大阪桐蔭)が決定した他、代表の堀井監督(慶應義塾大監督)は投打の軸として早稲田大学・伊藤樹投手、青山学院大学・中西聖輝投手、創価大学・立石正広内野手の3選手を指名した。

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堀井監督が明かす選考基準と投打の軸

3日間の選考合宿を終え、50人の候補選手から26人を選出した堀井監督。「非常に白熱した活発な議論が繰り広げられまして、本当に悩みました。苦渋の決断という部分もありました」と、選考が困難を極めたことを明かした。

選考した基準について、投手は、「ストライクを変化球でも取れることが大前提で、縦の変化があること。米国打線は2巡目、3巡目にどんどんアジャストしてくるので、タイプの違う投手も同じ右でも同じ左でもそろえたいなと。その2点が特に一番」とを説明した。

野手については、「ディフェンスで余計な失点がないことが前提で、攻撃力でしっかりと速いボールにアジャストできること。それから何か一芸を持っていること。この2つを基準に考えました」と語った。

その上で、チームの中心となる選手として早稲田大学・伊藤樹投手、青山学院大学・中西聖輝投手、創価大学・立石正広内野手の3人の名前を挙げ、「ピッチャーでいえば伊藤君と中西君、バッターでいえば立石君。この3人が投打の軸になる」と期待を寄せた。

選考された選手、涙をのんだ選手(投手)

選考された投手について、早稲田大の伊藤樹投手は春の状態の良さとともに、合宿でも1イニングの投球だったが、代表候補の強打者に対しても相手を見下ろすような投球で、テンポ、球威、コントロール全てにおいてエースと感じさせる内容だった。昨年に続き連続の代表入りは順当。青山学院大の中西聖輝投手もリーグ戦、選手権の内容も良く、東京六大学と東都のエースは順当に代表入りをした。

また、選手権で優勝投手となり当選確実となっていた東北福祉大の櫻井頼之介投手と、合宿でも素晴らしい投球を続けた明治大の毛利海大投手、そして今合宿ではやや調子が上がっていなかったが、亜細亜大の山城京平投手、齊藤汰直投手もリーグ戦の投球とともに山城投手は左の速球派、齊藤投手は縦の変化が特徴な右腕ということで選出された。

また、東洋大の島田舜也投手は今合宿で素晴らしい球威とコントロールを見せて代表入りを掴んだ。一方で北海学園大の工藤泰己投手、東北福祉大の堀越啓太投手が候補だったが、堀越投手はまだ制球の不安があった。工藤投手は合宿でも素晴らしい投球を見せており、ES CON FIELD HOKKAIDOで日米大学野球が行なわれる事からも選出が期待されたが、島田投手とともに、3年の佐藤幻瑛投手、鈴木泰成投手に勝ることができなかった。

もう1枚の左腕については有馬伽久投手が選出された。キレが特徴の速球と変化球を投げる投手で、昨年代表入りしている渡辺一生投手や、合宿で球威と安定した制球を見せた中央大の岩城颯空投手も候補だったが、球速や制球力も含めて1ランク上の投球を見せた。一方で昨年代表入りしていた近畿大の野口練投手や宮城誇南投手、藤川泰斗投手と技巧派左腕投手については今年は選出はなかった。

日米大学野球は、世界屈指のアメリカの大学生を相手に、同じ相手と5試合を戦うという過酷なもので、投手10人の中で、力で通用しない選手が多く出てしまうと、残りの投手の負担が大きくなる。その意味で、コントロールと共に球威を重視した選出となった。

予想先発
1戦目:伊藤樹投手
2戦目:中西聖輝投手
3戦目:櫻井頼之介投手
4戦目:伊藤樹投手
5戦目:中西聖輝投手

選考された選手、涙をのんだ選手(野手)

捕手については昨年代表を経験している明治大の小島大河選手と青山学院大の渡部海捕手が順当に選出。東京六・東都での実績はもちろん、合宿でもスローイングや捕球などのレベルの高さを見せ、小島選手については打撃の素晴らしさが光った。実戦では渡部選手がマスクを被り、小島選手はDHや一塁などのポジションで出場することも想定される。3年目の捕手は前嶋藍選手で、二塁への伸びるような送球は素晴らしかった。打撃にはまだ課題があり、試合の出場はやや少なくなるかもしれないが、よくコミュニケーションを取れる捕手なので、4年生の投手を相手にブルペンで活躍をしてくれるだろう。

内野手は昨年代表を経験している立石正広選手と繁永晟選手、勝田成選手、松下歩叶選手が順当に選出され、そこに小田康一郎選手と谷端将伍選手という東都で実績を持つ選手が加わった形。

昨年は山縣秀選手(北海道日本ハム・ドラフト5位)が努めた遊撃手には東海大の大塚瑠晏選手と国学院大2年の緒方漣選手が選出された。ポジションを考えると、松下選手がサード、立石選手がセカンドとすると、繁永選手と勝田選手をそこで使うかという形になってくる。勝田選手は状況次第でショートでの起用となる可能性もあるが、大塚選手、緒方選手で十分5試合を戦えると思う。的場北斗選手は2人に並ぶくらいの素晴らしい動きと打撃でも良さを見せていたので、ギリギリの選考だったと思う。

外野手は昨年の西川選手、渡部選手、吉納選手から大きく変わる。平川蓮選手、秋山俊選手は主戦候補で、打撃に長打力と対応力もありこの春絶好調の山形球道選手と俊足で走塁と中堅の広い範囲を守れる杉山諒選手は試合の中での起用となりそうだ。好調の榊原七斗選手が外野手の3つ目を取るか、谷端選手が外野手としてレフトに入るかは、直前合宿などで決まることになる。

メンバー入りできなかった選手では近畿大の阪上翔也選手が合宿で非常にアピールをしていた。長打力もあり足も肩でも素晴らしいアピールをしたが、外野手については一芸を優先させる形で惜しくも漏れたのではないかと思う。足では筑波大・岡城快生選手、東日本国際大・黒田義信選手も候補だったが、一芸を活かす形ではなく、強い打撃なども求めている所がわかったので、今回は杉山選手を選んだという所か。

侍ジャパンの打線としては、2番〜5番を右の立石・松下と左の小島・小田が並ぶ事になりそうで、その前を平川選手や勝田・繁永選手、谷端選手や秋山選手が打つ事になる。下位の打順になりそうな大塚選手も足と強い打撃があり、楽しみな打線となりそうだ。一方で、アメリカ代表は毎年、戦力にやや波があるものの、150キロ以上を投げる投手が交代出ててきており、そのスピードボールへの対応が活躍の鍵となる。

予想打順とポジション
1番・左翼 秋山俊
2番・二塁 立石正広
3番・DH 小島大河
4番・一塁 小田康一郎
5番・三塁 松下歩叶
6番・中堅 平川蓮
7番・右翼 谷端将伍
8番・捕手 渡部海
9番・遊撃 大塚瑠晏

選ばれたメンバーは6月30日から5日間、平塚で直前合宿を行い、三菱重工West(7月2日)、DeNA2軍(3日)、ヤクルト2軍(4日)とのオープン戦を経て、日米大学野球選手権本戦に臨む。

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この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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