近畿学生大学秋季リーグは3日、奈良学園大学が和歌山大学に勝利し、3季連続47度目のリーグ優勝を飾った。4番の松林克真一塁手(4年=履正社)が決勝の先制ソロ本塁打を放つ活躍。大学卒業後は社会人野球に進み、2年後のドラフト上位指名を目指すことを明言した。
4番の一振りでV決定、難敵を攻略
優勝が懸かる大一番で、4番のバットが火を噴いた。2回先頭、松林克真選手は内角高めの直球を捉えると、打球は左中間スタンドへ。試合の均衡を破るリーグ通算6本目の先制ソロ本塁打となった。「1本の本塁打が勝敗を分けると思っていた。1打席目に出て良かった」と、値千金の一発に胸を張った。
相手は前回の対戦で4打数無安打に抑え込まれた最速146キロの好投手・田中輝映投手。その攻略のため、「速い球ばかり打っていると、体の開きが早くて間が取れなくなる」と変化球を意識した対策が実を結んだ。この一発で勢いに乗ったチームは、難敵から5点を奪い快勝した。
どん底からの逆転優勝
3季連続優勝を飾ったが、簡単な道のりではなかった。開幕前のオープン戦で8連敗を喫すると、リーグ開幕節も勝ち点を落とす最悪のスタート。「2連覇しているので、勝てるだろうという甘い考えがあった」と松林選手は振り返る。しかし、チームはそこから奮起し、残りの4節すべてで勝ち点を獲得。見事な逆転優勝を果たした。
この日は5-0で解消、3年生の好投手・矢川幸司郎投手が今季2度目の完封とエースとして成長を見せている。
「今の実力では勝負できない」社会人で2年後の上位指名へ
松林選手はもともとプロ入りを目指し、6月の侍ジャパン大学代表選考合宿にも選出されていた。しかし、創価大・立石正広選手などのプレーを目の当たりにし、「今の自分の実力では勝負できない」と痛感。現実を受け止め、「さらにレベルアップして、ドラフト上位候補と言ってもらう」と、プロ志望届を出さずに社会人野球に進み、2年後のプロ入りへ目標を切り替えた。
その前に、まずは大学でやり残したことがある。いまだ未経験の明治神宮大会への出場に向けて、「あと1か月、頑張り続けたい」と話した。185cm100kgのスラッガー、2年後に向けた逆算は既に始まっている。2年間でプロ入りしないと可能性が低くなっていく世界で、1年目から圧倒的に注目を集める必要がある。そのためには、4年秋に大きな活躍をすることで、社会人1年目の注目度が全然違ってくる。社会人屈指の右の大砲として2年後に指名を受けるために、この秋が既に勝負だ。
松林 克真 プロフィール
- 氏名:松林 克真(まつばやし かつま)
- 所属:奈良学園大学 4年
- 出身:履正社高校
- ポジション:一塁手
- 主な特徴や実績:リーグ3連覇を決める決勝本塁打を放った4番打者。リーグ通算6本塁打。卒業後は社会人野球へ進み、2年後のドラフト上位指名を目指す。





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