阪神大学リーグの優勝決定プレーオフが行われ、天理大学は大阪産業大学にサヨナラ負けを喫し、2季ぶりの優勝を逃した。しかし、先発した来秋ドラフト候補の的場吏玖(りく)投手(3年=大阪電通大高)が5回まで無安打に抑える快投。視察した広島のスカウトからも高い評価を受け、来年のドラフト戦線へ向けて強烈なインパクトを残した。
5回まで無安打、ドラフト候補・小出を三振斬り
大一番のマウンドで、来年の主役候補がその片鱗を見せつけた。先発した的場吏玖投手は、初回に四球でピンチを招くも、今秋ドラフト候補の4番・小出望那捕手を空振り三振に斬って取るなど、上々の立ち上がり。その後も安定した投球で、5回まで相手打線を無安打に封じ込めた。
6回に初安打と味方のエラーで2失点(自責0)し降板となったが、5回2/3を1安打と試合を作り、「試合をつくれたのは良かったですけど、無駄な四球とカウントのつくり方が悪かったのが、反省点です。悔しいです」と、悔しさをにじませながらも手応えを口にした。
広島スカウトも高評価「来年の候補に入ってくる」
ネット裏では、逸材の投球を、既にプロのスカウトもチェックしていた。
広島・鞘師智也スカウト:「真っすぐも変化球もいい。今年の春にコンディションを崩して、この秋も本調子ではなかったみたいですが、本来ならもっと制球力もあり、もっといいパフォーマンスを発揮できる投手。来年の候補に入ってきます」
150キロへ、冬の進化誓う
大阪電通大高校時代から186cm78kgの大型右腕はプロに注目をされていた。名門の天理大に進み、実績は十分積んでいるが、今年はコンディションの状態が良くなく本調子ではない。まだ球速も、高校時代に記録した最速147キロから更新されていない。
それでもまだ細身の体には、大きな伸びしろが秘められている。「今のスピードでは足りないと思うので、150キロを投げられるように、この冬で走り込みやウエートトレで体力づくりをして、体をつくっていきたいと思います」と話した。この冬のトレーニングと治療で来年春に自分でも納得する、見違えるような体と投球を見せてくれるのではないかと思う。
的場 吏玖 プロフィール
- 氏名:的場 吏玖(まとば りく)
- 所属:天理大学 3年
- 出身:大阪電気通信大学高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:186cm・78kg
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。最速147キロ。優勝決定プレーオフで5回まで無安打に抑える快投を見せた本格派右腕。


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