東都大学リーグで、開幕5連敗と泥沼にあえいでいた東洋大学が、6連覇を目指す王者・青山学院大学から勝ち点を奪う金星を挙げた。チームを蘇らせたのは、今秋ドラフト候補で主将の池田彪我(ひゅうが)内野手(4年=三重)。逆転の口火を切った前カードの活躍に続き、この日はダメ押しの本塁打を放つなど、投打でチームを牽引。絶望的な状況からチームを立て直した主将のリーダーシップに注目が集まっている。
王者から勝ち点、主将がダメ押し3号
まさに下剋上だった。リーグ5連覇中で、開幕から無傷の6連勝で首位を独走していた王者・青山学院大学に対し、東洋大は3-0で迎えた7回に池田彪我選手が今季3号となる本塁打を放ち、ダメ押しをした。「大きいの狙わずに逆方向の意識で」打席に入ったというが、打球はライトスタンドへ飛び込んだ。
チームは開幕5連敗の後、これで4勝1敗と完全に息を吹き返した。「僕らが2部にいた時も、青学大は1部で勝ち続けていた。王者から2勝して勝ち点を取れたのは、すごい大きい」と、主将は歴史的勝利の味を噛み締めた。
5連敗の泥沼から救った主将のバットと声
奇跡の逆襲は、主将の一振りから始まった。開幕5連敗で迎えた前カードの亜細亜大学戦。1点を追う8回に、池田選手が起死回生の逆転2点三塁打を放ち、チームに待望の今季初勝利をもたらした。勝利に「すごい遠くて」と振り返るほど重苦しい雰囲気だったチームを、バットで、そして声で鼓舞し続けた。
井上大監督も「選手全員が、俺たちが青山に土を付けるんだ、という思いでやっていたので良かった」と話し、池田主将も「全員が同じ方向に向いている」と話す。チームの復活に確かな手応えを感じている。
池田選手は180cm90kgの左のスラッガーで、大学2年時に2部リーグで4本塁打を放って開花すると、今春は1部リーグでホームランは0本も、打率.293と大学屈指のレベルの投手を相手に自信を掴んだ。今季は駒大戦と国学院大戦、そしてこの日の青学大戦でそれぞれソロホームランを放っているが、チャンスに強い勝負強さも見せており、打率.425とキャリアハイとなっている。
ドラフト直前のブレークで、評価もうなぎのぼりの状態となっており、ドラフト会議では上位指名の可能性が出てきている。
池田 彪我 プロフィール
- 氏名:池田 彪我(いけだ ひゅうが)
- 所属:東洋大学 4年
- 出身:三重高校
- ポジション:内野手
- 投打:右投左打
- 身長・体重:180cm・90kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト候補。東洋大学主将。開幕5連敗のチームを逆転打や本塁打で救い、王者・青学大からの勝ち点奪取に貢献。勝負強い打撃が持ち味。





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