明治神宮野球大会の準決勝が11月18日に行われ、史上6校目の連覇を目指す青山学院大学(東都大学野球連盟)が八戸学院大学に8-2で逆転勝ちし、決勝進出を決めた。この試合では、来秋のドラフト上位候補である4番・捕手の渡部海選手(3年・智弁和歌山)が、秋季リーグ戦での不振を乗り越え、2安打1打点の活躍でチームを勝利へ導いた。
不振脱却、逆方向への2安打で復活
「不動の4番」が、神宮の大舞台で本来の姿を取り戻した。1点を追う3回、先頭打者として打席に入った渡部海は、巧みなバットコントロールで右前打を放ちチャンスメイク。さらにリードを広げた4回2死三塁の好機では、再び逆方向となる右前への適時打を放ち、貴重な追加点をもたらした。
この日は2安打1打点に加え2四球を選び、全打席で出塁。「必死に何とかしようと粘り強くいった結果。右方向に打てているのはいい兆候かなと思う」と、復調の手応えを口にした。
フォーム修正が奏功「球の見え方が変わった」
苦しみの末に掴んだ快音だった。今秋の東都リーグ戦では打率.159(44打数7安打)と極度の不振に陥っていた。このままでは終われないと、神宮大会に向けて打撃フォームの修正に着手。下がっていた右肩を修正し、踏み出す左足をクロス気味からオープン気味に変更するというテコ入れを行った。
この修正が見事にハマり、「球の見え方が変わった」と視界良好。修正能力の高さを示し、ドラフト候補としての評価を再び高める活躍を見せた。
尊敬する先輩・西川史礁へ贈る「連覇」
この日は、青学大の2学年先輩にあたる千葉ロッテマリーンズの西川史礁選手が結婚を発表した日でもあった。昨年まで共に汗を流し、「打撃練習から全力でフルスイングしていた。姿で見せてくれた」と背中を追い続けてきた偉大な先輩の吉報。渡部は試合後、決勝進出の報告とともに祝福のメッセージを送ったという。
先輩たちが築いた黄金時代を守り、新たな歴史を刻むため、目指すは頂点のみ。19日の決勝戦では、最速151キロ左腕・有馬を擁する立命館大学と激突する。「このチームで日本一になりたい。一球一球無駄にせずにやり切りたい」。主砲のバットが、青学大を史上6校目の大会連覇へと導く。
渡部海 プロフィール
- 氏名: 渡部 海(わたなべ・かい)
- 所属: 青山学院大学(3年)
- 出身: 智弁和歌山高等学校
- ポジション: 捕手
- 投打: 右投右打
- 主な特徴や実績: 来秋ドラフト上位候補に挙がる強打の捕手。智弁和歌山高時代には甲子園優勝を経験。青学大では1年時からレギュラーとして活躍し、大学日本代表にも選出されている。広角に打ち分ける打撃技術と、強肩を生かした守備力が武器。3年秋は不振に苦しんだが、神宮大会で復調気配を見せている。








コメント