明治神宮大会で史上6校目の連覇を達成した青山学院大学(東都大学野球連盟)が11月20日、東京・渋谷の青山キャンパスで優勝報告会を行った。大勢の学生や職員が集まる中、チームを牽引した中日ドラフト1位の中西聖輝投手(4年・智弁和歌山)と、横浜DeNAドラフト1位の小田康一郎選手(4年・中京)も登壇。日本一の喜びを分かち合う一方で、同じセ・リーグで戦うことになる両雄の間には、早くもライバルとしての火花が散っていた。
昨日の友は今日の敵? 寮での“宣戦布告”
黄金時代を築いた投打の柱が、笑顔で拳を突き合わせた。しかし、その胸中はすでにプロモードに切り替わっている。優勝から一夜明けた寮での宴で、中西聖輝投手から小田康一郎選手へある言葉が投げかけられたという。
「これで終わり。お前は敵だから」
写真撮影の際も「お互いグータッチをなかなか合わせなかった」と笑い合った二人。小田選手は「仲間として過ごした時間は変わらない」と絆を強調しつつも、「一番は楽しみ。お互いにいい姿を後輩たちに見せられれば」と、中日対DeNAという新たな舞台での対決を心待ちにした。
中西は「即戦力」宣言、小田は「三冠王」視野に
神宮決勝で17奪三振完封という伝説的な投球を見せた中西投手は、視線を未来に向けている。「この報告会で一区切り。明日からは次のステージに向けて練習したい」。目標は明確に「開幕ローテーション入り」だ。「チームの戦力になることを最優先に考えたい。先発で投げて、多く投げられれば」と、タフネス右腕として竜の先発陣に割って入る覚悟を示した。
一方の小田選手も、プロでの激しい競争を見据えている。1学年上の先輩である西川史礁選手(ロッテ)や佐々木泰選手(広島)が侍ジャパンで活躍する姿に刺激を受け、「DeNAでそのぐらいの活躍ができるように」と意気込む。将来的には「三冠王」という大きな目標を掲げ、プロの世界へ飛び込む。
箱根駅伝3連覇へ、駅伝部にもエール
報告会では、来年1月の箱根駅伝で3連覇を目指す駅伝部へのエールも送られた。藤原夏暉主将は「切磋琢磨できるいい関係。やってくれると信じています」とコメント。中西投手も「駅伝部も1番になれるように応援したい」と語り、野球部の「連覇」のバトンを駅伝部へと繋いだ。
青山学院大は2023年に常広羽也斗投手(広島)、下村海翔投手(阪神)、2024年に西川史礁外野手(千葉ロッテ)、佐々木泰内野手(広島)がドラフト1位で指名されている。西川選手と佐々木選手、それに2023年ドラフト6位の中島大輔選手が1軍の舞台で活躍し、西川選手と佐々木選手は、この秋に行われた侍ジャパントップチームにも招集され、韓国との試合で活躍も見せた。
一方で、下村投手は1年目に手術を受けてからまだ復帰ができておらず、常広投手は2024年に1軍で1勝を挙げたが、今年は2勝したものの防御率が7.96と荒れていた。中西投手、小田選手がどのような活躍を見せ、そして、来年にドラフト1位で入団すると見られる鈴木泰成投手、渡部海捕手をどのように迎えられるか、注目したい。
中西聖輝 プロフィール
- 氏名: 中西 聖輝(なかにし・まさき)
- 所属: 青山学院大学(4年)
- 出身: 智弁和歌山高等学校
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 主な特徴や実績: 最速152キロの直球と多彩な変化球を操るゲームメイク能力抜群の右腕。神宮大会決勝で17奪三振完封勝利。2025年ドラフト会議で中日ドラゴンズから1位指名を受ける。
小田康一郎 プロフィール
- 氏名: 小田 康一郎(おだ・こういちろう)
- 所属: 青山学院大学(4年)
- 出身: 中京高等学校
- ポジション: 内野手(三塁手)
- 投打: 右投左打
- 主な特徴や実績: 大学日本代表でも中軸を担った強打の三塁手。小柄ながらパンチ力とミート力を兼ね備える。2025年ドラフト会議で横浜DeNAベイスターズから1位指名を受ける。










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