春季高校野球近畿大会は、センバツ覇者でここまで公式戦29連勝を続けていた大阪桐蔭に、智弁和歌山が勝利した。プロ注目の武元一輝投手が4回3安打無失点の好リリーフを見せた。
大阪桐蔭に土
昨年秋の明治神宮大会を制し、センバツでも圧倒的な強さを見せて優勝していた大阪桐蔭をどこが止めるのかが注目されていた今年の高校野球で、それを成し遂げたのは智弁和歌山だった。
この日は初回、智弁和歌山の1番レフト・山口滉起選手が、来年のドラフト1位候補として注目される大阪桐蔭の2年生・前田悠伍選手から先頭打者ホームランを放つ。その後、2アウトから連打と四球でチャンスを作ると、大阪桐蔭の守備のミスで2点を追加した。
その裏にドラフト候補捕手の松尾汐恩選手のセンターオーバーのタイムリー2ベースヒットで1点を返されたが、小刻みな系統で5回まで3−2とリードを奪う。そして6回からはプロ注目の148キロ右腕・武元一輝投手が登板した。
武元投手は、持ち前の角度のあるストレートに変化球を織り交ぜ、また大阪桐蔭の打者があまり経験していないであろう、強気の攻めの投球を続け、9回までの4回を3安打2奪三振無失点に抑えた。「変化球も使いながら、内角の真っすぐを相手がいやがっているように感じた」と話した。
智弁和歌山は昨年夏の甲子園の覇者で、今年も全国屈指の戦力を持っていたが、昨年秋は和歌山大会準決勝で和歌山東に敗れ、センバツ出場を逃していた。力をためて臨んだこの春は市和歌山、和歌山商を倒して和歌山を制すると、近畿大会でも西城陽戦で10−0と力を見せ、準決勝の報徳学園戦では苦しみながらも勝利した。
昨夏覇者と今春覇者の対戦はこの日は智弁和歌山に軍配が上がったが、負けを知った大阪桐蔭がこの夏までにどんなチームになってくるのか想像もつかない。両チームが夏の甲子園に出場し、甲子園の舞台で最終決戦を迎えることになるか注目される。


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