神戸国際大付で1年時から140キロ中盤の速球を投げ、投手陣の中心として投げていた楠本晴紀投手がこの日、この夏の初登板を果たした。
大会直前に疲労骨折
楠本晴紀投手は187cmの長身左腕投手で、高校1年時に144キロの速球を投げて甲子園でも好投し、2年時も春・夏の甲子園で登板して夏の甲子園でベスト8進出に貢献するなど、今年のドラフトで注目される投手の一人だった。
しかし、その後はフォームを崩し、昨秋は兵庫大会8強で敗退すると、今年春は地区大会で敗退した。もともと強いプロ志望を抱いていたが、楠本投手は「フォームを意識しすぎて気持ちが不安定になった」と話すと、アオキ監督も「各球団が見に来てくださったが、投げ方を見失っていた」話す。そして5月、青木監督は進路相談で「お前には無理。そんなに甘くない」と進学を勧めた。
今大会は奮起を持って臨みたかったが、大会前に左足首の疲労骨折と診断され、登板はこの日の準決勝までなかった。しかしこの日、背番号10をつけて先発のマウンドに立った楠本投手は、加古川西との接戦で延長11回131球を一人で投げ、14個の三振を奪った。チームも2−1で勝利し、「マウンドに立ったら自分がエース」と昨年の躍動感を見せた。
楠本投手も進路を大学進学にしぼり、「4年後はドラフト1位になりたい」とふっきれて話す。その前にやることとして、「甲子園に連れて行って、先生を男にしたい」と青木監督を甲子園につれていくことを約束した。


「フォームを意識しすぎて気持ちが不安定になった」と言う楠本に、青木尚龍監督(57)はあえて厳しく接した。5月、高卒でのプロ入りを希望する楠本に「お前には無理。そんなに甘くない」と進学を促した。「各球団が見に来てくださったが、投げ方を見失っていた」と同監督。約1カ月ぶりの登板となったこの日も「このままやったらアカンやろ」とハッパをかけた。

コメント