全国高校野球選手権富山大会の3回戦で、未来富山が高岡第一に10-2で8回コールド勝ちし、2年連続のベスト8進出を決めた。プロ注目の最速145キロ左腕・江藤蓮投手(3年)が先発し、7回を9安打2失点(自責1)、13奪三振と力投を見せた。打っても3安打1打点と投打にわたる活躍で、ネット裏に集結した巨人、阪神、横浜DeNA、東京ヤクルト、千葉ロッテ、オリックス、東北楽天の7球団のスカウトにその力を見せた。
「直球には自信がある」強豪相手に圧巻の13奪三振ショー
「ストレートには絶対の自信がある。直球を待たれていても、打たせないという気持ちで投げました」。その言葉通り、江藤蓮投手は自慢のストレートで昨秋の北信越大会4強の強豪・高岡第一打線に立ち向かった。この日の最速は144キロ。得点圏に走者を背負う場面も続いたが、「いい打線なので、どのイニングもしんどかったけど、要所でギアを上げながら自分の投球ができたと思います」と話し、ピンチになってからストレートをバシバシと投げ込んで三振を奪った。特に7回1死一、三塁の場面では、後続を2者連続空振り三振に仕留め、雄叫びを上げた。
阪神は副本部長、巨人、ロッテも幹部級が視察し絶賛
創部8年目の通信制高校に現れた本格派左腕に、プロのスカウトも大きな注目を寄せている。この日は、巨人、阪神、横浜DeNA、東京ヤクルト、千葉ロッテ、オリックス、東北楽天の7球団のスカウトが視察。阪神は竹内孝行球団本部副本部長ら幹部2人、千葉ロッテも榎康弘スカウトディレクターが訪れるなど、複数球団が幹部クラスと複数で視察に訪れ、その注目度の高さがうかがえた。
巨人・森中聖雄スカウト:「6月に比べて状態は上がっている。変化球もしっかりと腕が振れて、空振りを奪えている。体も大きいので、まだ余力もある」
千葉ロッテ・榎康弘アマスカウトディレクター:「体に力があり、投球フォームのバランスも良い。制球も安定していて、崩れる感じも見受けられない。ここから、さらに上げていけるかを見ていきたい。視察した練習試合では3、4安打を放つなど、バッティングも良くてセンスがある」
体が強くなり、球威で押し切る投手となった。9安打は打たれているものの、ランナーを出してからギアを上げる形でしっかりと力で抑え込むことができ、今年、注目される左腕投手の中で、パワー系ではトップクラスの評価になっていると予想できる。
プロ入りへ「育成なら大学進学」の覚悟
今年4月には侍ジャパンU18代表候補の強化合宿にも招集された江藤投手。故郷の長野を離れ、富山での寮生活で野球に打ち込んできた。入学時に65kgだった体重は87kgまで増量。中学時代に128キロだった球速は145キロまで上昇した。昨夏は準々決勝、準決勝と連投し、疲労で思うような投球ができなかった反省から、この1年間は走り込みなどでスタミナも強化してきた。
今秋にはプロ志望届を提出予定だが、「育成なら大学進学」と、支配下での指名を目指す。しかし間違いなくドラフト会議では支配下ドラフトで、しかも3位以上の順位で指名されるのではないかと見られる。
「主力として、僕が打って抑えます」。春夏通じて初の甲子園出場へ、投打の大黒柱がチームを牽引する。甲子園でもその投球を見せれば、更に人気は高くなってゆきそうだ。
江藤蓮投手 プロフィール
- 氏名:江藤 蓮(えとう れん)
- 生年月日:2007年5月19日
- 出身地:長野県須坂市
- 経歴:須坂マイナー(小2) – 豊野アップルズ(小4) – 千曲ボーイズ(中学) – 未来富山高校(3年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:180cm・87kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速145キロを誇るプロ注目左腕。2025年夏の富山大会3回戦で7回13奪三振2失点の快投。打っても3安打1打点。阪神、巨人、ロッテなど6球団のスカウトから高い評価を受ける。高校日本代表候補。プロ志望届提出予定だが「育成なら大学進学」の意向。




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