全国高校野球選手権10日目では、史上9校目の春夏連覇を狙う横浜(神奈川)が綾羽(滋賀)に5-1で逆転勝ちし、7年ぶりの3回戦進出を決めた。この試合で、来秋のドラフト候補、2年生右腕の織田翔希投手が4回からリリーフ登板。自己最速タイの152キロをマークし、5回2/3を3安打無失点と好投。さらに5回には自らのバットで同点打を放つなど、投打にわたる大活躍でチームを勝利に導いた。
1球で空気変えた自己最速タイ152キロ
「悪い流れになっていた。監督さんに、だから織田が投げろと言われて、流れを変えるために投げろという意味だと思いました」。その言葉通り、1球で甲子園の空気を変えた。0-1と1点ビハインドで迎えた4回、2番手としてマウンドに上がった織田翔希投手は、その初球に自己最速タイとなる152キロを計測。3万5000人の大観衆がどよめく中、後続をきっちりと抑えた。
その後も「前回よりも指のかかりが良くなった」というストレートを軸に、5回2/3を3安打無失点、6奪三振と完璧なリリーフ。「無失点にこだわっていた。チームを勢いづけるピッチングができて良かった」と、笑顔でマウンドを振り返った。
打席でも輝きを放った。5回2死二塁のチャンスで、内角の直球をセンター前へはじき返す同点のタイムリーヒット。投打の大活躍に、村田浩明監督も「早めに投入して雰囲気がうちに来た。本当に感謝している」と絶賛した。
横浜2年生史上初の甲子園5勝目
この勝利で、織田投手は今春のセンバツと合わせて甲子園通算5勝目。横浜高校の2年生投手が甲子園で5勝を挙げるのは史上初となった。1回戦では敦賀気比を9回7安打3奪三振3四球で完封。この日はその試合よりもストレートの威力が増しており、チームを勝利に導く投球を見せている。
「一戦必勝。次も勝利に貢献できるような投球をしたい」と話す織田投手。98年の松坂大輔以来となる春夏連覇に突き進む。今大会は織田投手のものになろうとしている。
織田翔希投手 プロフィール
- 氏名:織田 翔希(おだ しょうき)
- 生年月日:2008年6月3日
- 出身地:福岡県北九州市
- 経歴:足立クラブ(足立小1年) – 足立中学校(軟式野球部) – 横浜高校(2年)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:185cm・76kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速152キロを誇る2年生右腕。2025年夏の甲子園2回戦で5回2/3を無失点、自己最速タイの152キロを記録。打っても同点打を放つ。横浜高校の2年生として史上初となる甲子園通算5勝を達成。憧れの投手は松坂大輔。















コメント