プロ野球の第1次戦力外通告期間が始まった29日、東京ヤクルトは9選手に来季の契約を結ばないことを通告したと発表した。2015年ドラフト1位の原樹理投手(32)、2021年ドラフト1位の山下輝投手(26)なども戦力外となり、山下投手は現役引退を表明した。
ドラ1コンビが神宮を去る、山下は引退を決断
2人のドラフト1位投手が、チームを去ることになった。2021年の1位指名左腕、山下輝投手は、木更津総合高、そして法政大時代から苦しめられてきた左肘の故障に泣き、3年連続で1軍登板なし。通算2試合の登板に終わり、「今年一年ダメだったら、やめようと思っていた。野球選手としてはもうやりません」と、現役引退の意向を固めた。球団からはフロント入りの打診も受けており、今後については熟考する。
木更津総合では2年の秋から台頭し、3年夏は主戦として甲子園出場を果たすと、甲子園でも日本航空石川戦で敗退したものの、9回14安打10奪三振6失点という豪快な内容の投球だったが、大型左腕としての魅力と球の力などは、見るものに大きなインパクトを与えた。
法政大に進むと故障に苦しみ、1,2年は登板が無く、3年時に登板し始めると、4年の春に2勝を挙げる。やはりその大きな身体から投げられる150キロのストレートは非常に魅力的で、ドラフト会議ではセ・リーグを制した東京ヤクルトが、隅田知一郎投手の指名を外し、次に山下輝投手を指名した。
しかし、そこから再び苦難が続く。ドラフト会議後に左腕の疲労骨折が発覚し、その後、1年目のシーズン終盤に1軍で2試合に登板し、プロ初勝利も手にした。しかし左腕はその後も故障が続き、3年連続で1軍登板が無く、今年、プロ野球選手としてピリオドを打った。
入団発表の時にの評価を載せる
ドラフト1位・山下輝選手 期待度1年目:☆☆ 3年目:☆☆☆☆
角度のある左腕投手としてプロでも貴重なタイプ。140キロ中盤から後半の速球を打者のインコースに攻める投球ができ、スライダー、スプリットの沈む球も有効に使える。
ただし、高校時代から故障が多く、1年間を通して実績を残したというのはない。今秋も左腕の疲労骨折をしており、プロでは長く活躍するために、体質改善というか、故障をへらすことも考えていく必要がある。
1年目は1勝が目標、3年目に先発で8勝以上。
原樹理投手も戦力外
原樹理投手は東洋大で1部2部の入れ替えで駒澤大の今永昇太投手と激しい投げ合いを演じていた。2015年のドラフト会議では明治大の高山俊選手の指名を外したヤクルトが1位指名をし、2022年には自己最多の8勝を挙げるなどリーグ連覇に貢献したが、その後は故障に苦しみ、10年目の今季は1軍登板がなかった。「けがをしてしまい、全然貢献できなかった。球団、ファンを含めて申し訳ない」と謝罪。今後の進路は未定としている。
優勝の年のドラフト1位
2015年、2021年のドラフト1位指名、奇しくも両年ともセ・リーグで優勝をした年だった。原投手は10年間プレーし、1軍では27勝と大きな期待のは答えられなかったものの、2022年の8勝など実績を残した。
山下投手は故障のために1軍で1勝、4年間という短い時間で引退することになった。基本的にドラフト1位指名の選手は、長い期間、プレーすることがある程度約束されており、当初期待通りにならなくても、その時間の中で活躍するタイミングがあると思うが、逆にそれができないと、球団の戦力に大きな穴を空けてしまう事にもなり、ヤクルトは2014年の竹下真吾投手、2016年の寺島成輝投手が活躍することができず、チームは低迷した。2017年の村上宗隆選手の獲得により、チームは再び盛り返したが、2023年の西舘昂汰投手、2024年の中村優斗投手が、ドラフト1位指名選手としての成績を残すことが、チームのこれからの上昇につながる。
山下 輝 プロフィール
- 氏名:山下 輝(やました ひかる)
- 所属:ヤクルトスワローズ
- 出身:木更津総合高校 – 法政大学
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 主な特徴や実績:2021年ドラフト1位。左肘の故障に苦しみ、戦力外通告を受け現役引退を表明。球団からフロント入りの打診を受けている。
原 樹理 プロフィール
- 氏名:原 樹理(はら じゅり)
- 所属:ヤクルトスワローズ
- 出身:東洋大学姫路高校 – 東洋大学
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 主な特徴や実績:2015年ドラフト1位。2022年に自己最多8勝を挙げリーグ連覇に貢献。通算27勝。今後の進路は未定。









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