中日は10月8日、名古屋市内のナゴヤ球場に隣接する選手寮「昇竜館」で、井上一樹監督も出席してスカウト会議を開き、10月23日のドラフト会議へ向けた候補者を約90人に絞り込んだ。1位候補として投手は、健大高崎の石垣元気投手、青山学院大の中西聖輝投手、野手は創価大の立石正広内野手を軸に検討しており、投手か野手か、井上監督は「ちょっと迷ってます」と熟考を重ねる構えだ。
投手か野手か…井上監督「ちょっと迷ってます」
ドラフト会議まで約2週間。3時間超に及んだ会議を終えた井上一樹監督の思いは固まっていなかった。「どうしても欲しいピッチャーは実際いますし、逆にこの野手欲しいっていうのもいます。ちょっと迷ってますよっていうところです」と話し、1位指名をするポジションが決まっていて選手を迷っているのではなく、投手か野手かもまだはっきり決まっていないとした。
チームの最重要補強ポイントは、ローテーションを担える若手投手だ。今季も勝ち頭はベテランの大野雄大投手の11勝で、高橋宏斗投手の8勝を挙げており、ルーキー左腕の金丸夢斗投手は2勝とまだが奮闘中だ。その中で、堀中スカウト部長は1位候補として健大高崎・石垣元気投手、青山学院大学・中西聖輝投手の名前を挙げた。
一方で、野手ではアマチュアNo.1と評される創価大学・立石正広選手も1位候補に挙がる。井上監督は「例えば投手が欲しいと思っても、野手の素材が勝るなら、そちらを指名することもあるだろう」と語り、野手のほうを優先する可能性についても話した。
他にも、鷺宮製作所の竹丸和幸投手、亜細亜大の齊藤汰直投手といったドラフト上位候補投手もリストアップをしている。
頭角を見せ始めた若手も
中日は2022年に仲地礼亜投手、2023年に草加勝投手の右腕を指名、そして昨年は左腕の金丸投手を見事に引き当てて獲得している。草加投手がトミー・ジョン手術を受けたが、今年終盤に1軍でも登板をしており、来年は戦力として加わる見込み。また、金丸投手も2勝止まりだったとはいえ、試合を作る投球を見せており、また、侍ジャパンのWBC代表候補にも選ばれるなど実力は高い。来年、一気に花開く可能性もある。
球場の特徴もあり、井上監督も力を入れてきた攻撃陣については、他チームから獲得した細川選手が20本、上林選手は17本、外国人のボスラー選手が13本で、生え抜きのスラッガーとして獲得した選手がまだ力を見せていないが、2021年ドラフト1位のブライト健太選手や昨年のドラフト4位・石伊雄太捕手も力をみせており、チームも4位へと浮上している。
そして球場も変わる。2026年からは「ホームランウイング」というテラス席が外野のフェンスの前に設置され、ZOZOマリンや福岡ドームのようにホームランが出やすくなるほか、2027年にはセ・リーグでDH制が導入され、攻撃陣の重要性がますます高まってくる。
一方、今年8勝の高橋投手も近いうちにメジャーへの移籍ということも考えなければならない。井上監督は、即戦力か将来性かも含め、柔軟な姿勢で臨む構えを見せているが、昨年まで指揮を取った2軍の戦力をあらためてフェニックス・リーグで見て、これらの要素を考慮するが、最終的には立石選手の1位指名となるのではないかと思う。
佐々木麟太郎の名前も挙がる
またスカウト会議では、12球団に指名対象選手であることが通知されている米スタンフォード大学の佐々木麟太郎選手についても話し合われた。堀中スカウト部長は「話には出た。スカウトとしても評価はしているが、指名する、しないについてはまだです」と、指名の可能性を完全には否定しなかった。
今季のドラフト指名方針について、堀中部長は「基本的には、即戦力が上位となると思う」と明言。支配下で5〜6人の指名を見込んでおり、他球団の動向も見ながら、最終的な絞り込みを進めていく。
石垣 元気 プロフィール
- 氏名:石垣 元気(いしがき げんき)
- 所属:健康福祉大学高崎高校 3年
- ポジション:投手
- 投打:右投両打
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト1位候補。最速158キロ。U-18 W杯で日本の守護神として準優勝に貢献。2024年選抜高校野球大会優勝。
中西 聖輝 プロフィール
- 氏名:中西 聖輝(なかにし まさき)
- 所属:青山学院大学 4年
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト1位候補。最速152キロ。2021年夏の甲子園優勝投手。4年春に東都大学リーグでMVPなど3冠。
立石 正広 プロフィール
- 氏名:立石 正広(たていし まさひろ)
- 所属:創価大学 4年
- ポジション:内野手
- 投打:右投右打
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト1位候補。走攻守三拍子そろったアマチュアNo.1内野手。2年連続で大学日本代表に選出。





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