中日ドラゴンズからドラフト1位指名を受けた青山学院大学の中西聖輝投手(21)が27日、横浜市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1600万円(金額は推定)の最高条件で仮契約を結んだ。智弁和歌山高で甲子園優勝、青学大で神宮大会連覇と、アマチュア球界の頂点を知る「勝てる右腕」は、プロの世界でも「投げる試合は必ず勝ちたい」と無敗を宣言した。
「負けない投手」の矜持、新人離れしたメンタリティ
契約後の会見で、ルーキーらしからぬ落ち着き払った表情を見せた中西聖輝投手。「気迫を前面に出しながらも、冷静さと分析力を兼ね備えた上で、最善の策を取って投げることが強み」と自己分析し、1年目の目標について問われると、力強くこう答えた。
「投げる試合は必ず勝ちたいと思っていますし、毎年安定した成績を残しながら、息の長い選手になれるように」
東都大学野球リーグでは通算32試合で17勝3敗、勝率8割5分を記録した負けない投手。その実績に裏打ちされた自信が、言葉の端々ににじみ出た。
甲子園V、神宮17K完封…「日本一」を知る男が竜へ
中西投手の負けない伝説は高校時代から。智弁和歌山3年夏にエースとして甲子園優勝投手に輝き、青学大ではエースとしてリーグ6連覇に貢献。日米大学野球でも第2戦に先発して勝利投手となった。記憶に新しい11月19日の明治神宮大会決勝では、2安打17奪三振での完封勝利を挙げ、チームを史上6校目の連覇に導いた。
「ここからがスタート。ますますやる気が湧いてきた」と語る右腕は、前日26日にナゴヤ球場を訪れ、高橋宏斗投手や金丸夢斗投手ら先輩たちとも対面。「すばらしい投手陣に食らいついて、アピールしたい」。強力な先発陣の一角に割って入り、低迷するチームを浮上させるキーマンとなる。
まさにアマチュアNo.1という実績を持つ右腕。今年は春季リーグ、大学野球選手権、侍ジャパン大学代表、日米大学野球、秋季リーグ、そして明治神宮大会と1年間投げ続け、特に秋は疲労は隠しきれず、本調子では無い投球だったが、変化球を巧みに使って勝利し、1年間通して投げぬいた体力も素晴らしいと思う。疲労の蓄積による故障が心配ではあるものの、大学生右腕としての実績は、ここ数年の投手の中でも頭一つ抜けている。
中日では昨年、大学No.1左腕の金丸投手が入団し、今年こそ2勝6敗だったものの、1年間投げることができれば、2桁勝利ができる投手で、金丸投手と中西投手の2枚看板で2桁勝利も将来、必ず目にする成績になると思う。必ず優勝を手にする右腕が、プロでも優勝を手にする日が来るだろう。
中西聖輝 プロフィール
- 氏名: 中西 聖輝(なかにし・まさき)
- 所属: 青山学院大学(21歳)
- 出身: 奈良県(智弁和歌山高校卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 182cm、90kg
- 主な特徴や実績: 最速152キロの直球と多彩な変化球を操るゲームメイク能力抜群の右腕。智弁和歌山で甲子園優勝、青学大で神宮大会連覇(決勝17奪三振完封)と大舞台に滅法強い。2025年ドラフト会議で中日ドラゴンズから1位指名を受ける。











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