2018年ドラフト総決算(2)高校生の選手達~甲子園編~

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根尾昂藤原恭大小園海斗野村大樹万波中正など黄金時代といわれた世代が、高校に進学する。そしてその世代は1年目から輝きを放つ。2018年ドラフト総決算、高校生たちのストーリー。

清宮3番、野村4番

2016年、高校野球は2年生になった清宮幸太郎選手が注目されていた。前年の夏の甲子園で2本のホームランを放ち、チームをいきなりベスト4に導いたスターだったが、恐れたのは清宮選手を歩かされることだった。そのため2015年は清宮選手を3番に据え、4番に強打者の3年生・加藤雅樹選手を置いていた。しかし加藤選手が卒業したこの年、清宮をどこに置くのか、清宮の後ろを打つバッターが誰になるのか注目されたが、そこに春から座ったのが、大阪福島リトルシニアから入学した野村大樹だった。

野村は春の宮崎遠征で4番として結果を残すと、夏の大会西東京でも4番サードで出場する。その夏は準々決勝で敗れてしまうがこれが野村選手の負けん気に火をつける。秋の東京大会決勝では日大三と対戦し、清宮選手が5三振を喫するなど、日大三の櫻井周斗投手に14三振を奪われる中で、野村選手は同点で迎えた9回にサヨナラの2ランホームランを放ち、劇的な幕切れを見せた。4打数3安打2打点と4番の活躍を見せた。野村選手は1年生で23本塁打を放っていた。

野村選手は翌年のセンバツでも2試合で9打数5安打を記録し気を吐いたが、課題の投手陣が踏ん張れず2回戦で敗退する。それでも2017年春の東京大会では3年生になった清宮選手が注目された神宮球場のナイターで、再び野村選手が爆発力を見せる。投手陣の課題は大きく試合は初回から4点を追いかける展開となるが、1回裏に野村選手が2ランホームランを放つ。3回には強襲ヒットで1点差に追い上げ、5回には4-4の同点から勝ち越しとなる2ランホームランを放った。その後試合は清宮選手の2本塁打も飛び出すなど乱打戦となったが、延長12回に18-17でサヨナラ勝利をした。

しかし夏の大会では決勝の東海大菅生戦で敗れ、清宮選手とのコンビでの夏の甲子園出場は出来なかった。捕手にも穴が開いた秋の新チームからは野村選手が、4番としての活躍とともにマスクを被り投手を引っ張る役割も担う事になった。

1年生から話題の選手

報徳学園に進んだ小園海斗も、1年春からショートのレギュラーを奪う。1年夏は市尼崎に0-1で悔しい敗戦で甲子園出場を逃すが、秋は1番ショートとしてチームを引っ張る活躍を見せ、兵庫大会準優勝、そして近畿大会も初戦に勝利しセンバツ出場を果たす。そのセンバツでは4試合で18打数9安打5打点という大活躍を見せ、チームをベスト4まで導く。そしてこの小園選手の活躍を見て、名将・永田監督は、小園がいるうちにバトンタッチをした方が良いと、監督を辞する決断をするのだった。

2016年夏の神奈川大会、3回戦の松陽戦で飛び出したホームランには、プロのスカウトも驚愕した。1年生の万波中正選手が放ったホームランは、横浜スタジアムのバックスクリーンを直撃する。推定135mの特大のホームランで、その映像はニュースで繰り返し放送された。しかしまだ攻守に粗さの残る万波選手は、層の厚い横浜高校の中でレギュラーは取れず、出場した夏の甲子園では打席に立つ事は出来なかった。そしてそこから苦しい時期が始まる。打撃の好不調が大きく、特に2年生の夏にかけては大きなスランプとなり、2年夏の神奈川大会決勝・東海大相模戦では5三振を喫して打席で愕然としていた。その後、選手が入れる寮を出て自宅から1時間半をかけて通学するようになったりと試練は続いた。

そしてもう一人、2017年の夏の甲子園でプロのスカウトが目を光らせた選手がいた。一人は智弁和歌山の林晃汰、もう一人は天理の太田椋である。林は怪我で状態は良くなかったものの、1年生の左腕として注目されていた興南の宮城大弥選手から2ランホームランを放ち、バックスクリーン右へのホームランを放った。広陵の中村奨成選手が大会記録となった6本塁打を放った大会だったが、林選手も2年生スラッガーとして注目を集めた。また、天理の3番ショートには2年生の太田椋が入り、特にショートで抜群の動きを見せた。小園の出ていない大会で、2年生世代で根尾とともに注目されるショートとなった。

投手か野手か

さて、大阪桐蔭に進んだ根尾昂、中学で146キロを投げていた事から春から注目された。夏にはエースとして投げているだろうという声も多かった。しかし春先は内野と外野を守り、夏が近くなってからようやく投球をしたものの、先発して1試合投げるというような起用ではなかった。西谷監督は根尾選手の運動能力の高さを認め、投手にこだわることなく、1年間は可能性を伸ばす事に使った。夏は藤原恭大選手が7番センターで出場したものの、チームは3回戦で関大北陽に敗れた。

秋からの新チーム、層の厚い大阪桐蔭だったが、1番にレフトで1年生の藤原が、5番にはセンターで根尾が入った。大阪大会3位で近畿大会に出場すると、ベスト4に勝ち進み2017年のセンバツ出場を勝ち取る。根尾・藤原の甲子園デビューとなったセンバツでは根尾選手がスタメンショートに入り、またリリーフで登板もした。1番センター・藤原も定着し、打撃ではノーヒットの試合も2試合あったが、決勝の履正社戦では1本のホームランを放ち、二人にとって初の甲子園で見事に優勝を納めた。

そして夏、大阪大会を突破した大阪桐蔭は甲子園でも1回戦を順調に勝ち上がり、2回戦で智弁和歌山に2-1で勝利する。1番・藤原は不動、そして根尾選手が4番を打つようになり、3番には中川卓也選手が入り万全の形だった。そして3回戦の仙台育英戦では、同じく2年生の柿木蓮投手が先発する。柿木投手は8回までを無失点に抑え、8回には中川選手のタイムリーヒットで勝ち越した。しかし9回裏、ゲームセットと思われたショートゴロを一塁の中川選手がベースを踏めずにピンチを広げると、逆転の2点タイムリーヒットを浴び、悪夢の敗戦を喫した。中川選手は泣き崩れる所を3年生に支えられベンチに引き上げる。そして秋には中川選手が主将に指名され、新チームがスタートするのだった。

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