前橋商の144キロ左腕・井上温大投手の登板に、9球団35人のスカウトが視察した。巨人は9人態勢で視察した。
144キロ左腕
井上温大投手は174cm68kgの左腕投手で、体はまだ細いものの伸びが抜群の144キロのストレートと鋭く曲がるスライダーを投げる。春は背番号10を付けていたが、健大高崎戦でリリーフで登板し、伸びのある球で5回無失点に抑えてから注目され始めると、夏の大会直前に名前がググっと挙がってきた投手。
この日は、序盤にストレートを狙われて1回から3回まで先頭打者にヒットを打たれ1失点、ストレートの走りが良くなく、球速も130キロ中盤から後半だった。しかし、「スライダーに一番、自信がある。内角に腕を振って投げようと思った」と4回からは得意の2種類のスライダーを中心に投げ、インコースもズバっと決めた。自己最長となる8回を投げ6安打1失点6奪三振で勝利した。最速は球場表示で139キロ、横浜DeNAスカウトのスピードガンで142キロだった。
「今日は70点。調子はあまり良くなかったけど、勝つ投球ができた」
35人のスカウト視察
この日は9球団35人のスカウトが視察、巨人が9人、東京ヤクルトと横浜DeNA、福岡ソフトバンクが5人、阪神、中日が3人、北海道日本ハムと千葉ロッテが2人、埼玉西武が1人だった。巨人は長谷川スカウト部長、中日は松永編成部長、DeNAも吉田スカウト部長、阪神も畑山スカウト統括が視察した。
◎巨人・長谷川国利スカウト部長:「投げ方のバランスがいい。球速はもっと出るはず。体をいかに強くしていくかでしょう。」
◎巨人・内田スカウト:「ピッチングがうまい。きれいなフォームで将来性がある」
◎横浜DeNA・吉田孝司スカウト部長:「いいフォームをしている。可能性を感じる。高橋尚成タイプかな」
◎千葉ロッテ・永野チーフスカウト:「これほどシルエットがきれいな左投手は見たことがない。ボールが指にかかればもっと球速も出る。体ができれば本当に楽しみな投手。」
◎東京ヤクルト・橿渕聡スカウトグループ次長:「打者の予想以上に曲がった。とにかくフォームがきれいで潜在能力がある。けん制、フィールディングを含めて直すところがない。伸びしろがものすごくある投手。将来的には内海、高校生の左腕で5本の指に入るでしょう」
◎中日・正津スカウト:「指先の間隔がいい。ピッチャーとしていいものを持っている」
◎阪神・吉野スカウト:「ボールのキレ、コントロールがいい。体ができてくればもっと良くなる」
以前から注目されていた投手はすでに評価が定まっている時期だが、井上投手は現時点で各球団とも評価をしている状況ということで、これだけのスカウトが集まった。しかし巨人の9人で視察というのは、球団の高い注目度を示している。
関東屈指の左腕は、次の試合でも好投を見せさらに評価を高めることができるか、特にストレートの修正に注目したい。
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最速144キロ左腕。金の卵を見ようと、ネット裏には9球団35人のスカウトが集結した。自己最長の8回を6安打1失点で6奪三振。「今日は70点。調子はあまり良くなかったけど、勝つ投球ができた」。直球は142キロを計測し、無四球投球。スライダーは2種類の変化があり、ヤクルト・橿渕聡スカウトグループ次長は「(5回の三振は)打者の予想以上に曲がった。フォームも奇麗で潜在能力がある。直すところもない」とうなった。
ネット裏には9球団、計35人のスカウトが群馬屈指の左腕を視察。巨人は長谷川スカウト部長ら最多の9人で視線を送った。球場のスピードガンで最速139キロながら曲がり幅の違う2種類のスライダーを駆使。自身公式戦最長となる8回を投げて6安打1失点で6奪三振。「変化球でカウントが取れた」という井上について、担当の内田スカウトは「ピッチングがうまい。きれいなフォームで将来性がある」と評価した。
174センチ、68キロ。昨秋の時点で61キロしかなかった小食の少年はこの冬から夕食でどんぶり3杯の白飯を腹に詰め込むなど、増量に力を注ぐ。今年の春季大会ではリリーフ役として背番号「10」。しかし、身体的に成長を遂げて長い回を投げることも可能になり、この大会は堂々の背番号「1」。注目の存在となった。
バックネット裏でも高評価が並んだ。DeNA・吉田スカウト部長が「高橋尚成(巨人、DeNAなど)タイプかな」と言えば、ヤクルト・橿渕スカウトグループデスクは「将来的には内海(現西武)。高校生の左腕で5本の指に入るでしょう」とうなずいた。
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