U18侍、西純矢投手が3回5奪三振、投手陣必死のリレー

飯塚脩人, 林優樹, 西純矢

U18ワールドカップでは、侍ジャパンがアメリカ代表に16-7で勝利した。投手陣は総力戦で挑み、個々に力を発揮した。

先発・林

先発はまさかの林優樹投手、大学代表との壮行試合でもピンチの場面でリリーフで登板し見事な投球を見せており、今大会も左のリリーフとして起用されると見られたが、この日は永田監督が「大会で通用するか見てみたい。」と朝に先発を決め、昼食時に伝えたという。その時、林投手は驚きと緊張で目が点になっていたと話すと、林投手も「先発は今日の昼食の時に言われました。緊張しました。」と話した。

柔らかいフォームからグッと伸びてくるストレートとチェンジアップのコンビネーションが武器で、どちらかというと右バッターの方を得意としている。初回、顔は柔らかい表情も見せていたが、体はやや硬く、雨の影響や力みもあり、持ち前の制球力が乱れていた。そしてポイントとなるアメリカの1,2番の左打者に2ベースヒットと四球でいきなりピンチを背負った。

3番の右のブコビッチ選手は得意のチェンジアップで寄せ付けない投球を見せたが、4番で左のソダーストロム選手にセンターに運ばれ1点を失った。それでもその後、アメリカのまずい走塁に助けられなんとか1失点に抑えた。2回になると柔らかさが戻り、下位打線という事もあって、2つの三振を奪った。しかしこの回で打者1巡したこともありお役御免、2回を投げて1安打3奪三振3四球で1失点という内容だった。オープナーという形となった。

雨とエラーと

3回からは154キロ右腕の西純矢投手がマウンドに上がると、アメリカのバッターの雰囲気も、そして侍ジャパンのチームの雰囲気も変わった。うなりをあげる140キロ中盤の速球は、振るだけでなく当てる事も巧みなアメリカの1番・クロウアームストロング選手から三振を奪う。ハッセル選手にはうまく逆方向にヒットを打たれたが、3番を打ち取ると4番・ソダーストロム選手から空振り三振を奪った。

そして4回は5番からの打者を三者三振、カーブなども使ったが、雨の影響だったり、捕手が西投手の変化球の捕球にまだ十分慣れていない事もあってかストレート中心に押した。そしてそのストレートをアメリカのバッターが前に飛ばせず、そして空振りをした。見ていて鳥肌が立つほどの素晴らしい真っすぐを見せた。

チームはこの西投手の投球に勢いづき3回裏に5点、4回裏にも5点を奪った。しかし10-1となった5回に西投手がエアポケットに入ってしまった。4回のアメリカのバッターのハーフスイングの判定に、アメリカの首脳陣や選手などから強烈にクレームが入り、、それまで広かったストライクゾーンが一気に狭くなった。インコースの良い所をボール判定されると、外に広いのかと外角いっぱいに投げた球もボールと判定された。またイレギュラーバウンドでのヒットもあり、ヒットと四死球でノーアウト満塁となり、内野ゴロ2つの間に2点を失った。

そうなるとアメリカに勢いが付き、勢いづくと止められなくなるのがアメリカチームだ。6回には前佑囲斗投手が登板すると、球速は130キロ中盤ながらもキレの良い球を投げていたが、西投手の後だとつらかった。また、サード・武岡選手やファースト・韮澤選手の悪送球もあり、3点を失った。そして侍ジャパンはリリーフエースの飯塚脩人投手を、予定よりも早い7回から登板させたが、1点を失い11-7と4点差まで追い上げられた。

跳ね返す飯塚

普通の投手なら、この勢いに乗ったアメリカを止める事は出来ないだろう。しかし、それを止めたのは飯塚脩人投手だった。7回に1点を失い、なおも3塁にランナーを背負ったが、その後、2者連続三振を奪う。8回も四球と、セカンド正面の痛烈な打球を捕球できずにノーアウト1,2塁のピンチとなったが、ここから恐怖の1,2番を抑えて無失点で切り抜けた。

飯塚投手の好投は、習志野高校もそうだったように、味方に勢いをもたらす。8回裏に4点を奪い返して16-7と試合を決めた。最後は宮城大弥投手が締めた。

疲労や血マメの影響で投球の練習がまだ十分でない奥川投手、佐々木投手と、前日に50球場を投げて登板のできない浅田投手を除くと、残っているのは池田陽佑投手だけだった。まさに総力戦でアメリカを倒した。

西投手、飯塚投手のストレートは、来年のMLBのドラフト会議で上位で指名されるであろう選手たちに十分通用した。もし西投手、飯塚投手がアメリカ圏の選手だったら、MLBドラフトの上位から中位までに指名されるだろう。佐々木投手、奥川投手に続く存在と言える。

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