【近畿の注目選手】同志社国際・フォーク黒田選手は米国進学希望、瀬田工・岡本投手、星林・則藤投手も夏に挑む

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第107回全国高校野球選手権大会の地方大会が、近畿地区でもいよいよ本格的に開幕する。5日に大阪と京都、6日に滋賀、10日に和歌山、11日に奈良で熱戦の火蓋が切られる。大会で活躍が期待される同志社国際(京都)のフォーク黒田レイモンド豪内野手、瀬田工業(滋賀)の岡本一徹投手、星林(和歌山)の則藤瑞起投手(いずれも3年)を紹介する。

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同志社国際フォーク黒田レイモンド豪選手、夢は「メジャーリーガー」と「認知心理学」

同志社国際のフォーク黒田レイモンド豪選手は、プロ注目の190cm大型リードオフマン。長打が武器の1番打者でありながら、投手としても最速140キロを誇る二刀流として、国内のスカウトからも注目される。しかし進路については日本のプロ野球だけでなく、「夢は一応、メジャーリーガー。将来的には、日本に戻って野球界に貢献したい」と話し、卒業後は米国の大学への進学を希望している。

アメリカ人の父を持ち、家庭内では英語で会話する。野球を本格的に始めたのは中学1年の秋と遅いが、高校では1年春からレギュラーを掴んだ。練習後は深夜まで勉強机に向かい、「認知心理学を学びたい」という明確な目標を持つ。その理由は、昨年12月、「日本野球学会」の高校の部で最優秀賞に輝いた自身の研究にある。スタンフォード大学の野球キャンプに参加した選手100人に調査した結果、メジャーを目指す選手の約90%が「勉強が大事」と回答しており、「野球はいつか、絶対に終わる」という彼らの言葉によって、野球とともに勉強もできる環境を求める。

昨秋、練習中に打球が右目を直撃し眼か底を骨折。「後遺症が残れば、野球はできないと言われた」という大怪我も経験し、「野球がなくなった時の進路を考えられていなかった」と危機感を抱くと同時に、「野球ができる感謝の気持ちも強く芽生えた」という。その認知心理学は複合的な分野で、「日本の学部を選ぶという制度に合わなかった」と話し、勉学のためにアメリカに進学するとした。

今年は初戦で春の王者・京都共栄学園と激突する。「憧れだけど、甲子園に出ないといけないとは思わないです。全員でやりきったと思えたら大丈夫」。文武両道を貫いた2年半の集大成を、最後の夏にぶつける。

瀬田工・岡本一徹投手、天国の母へ届ける快投誓う

プロ野球選手になるという幼い頃からの夢を叶えるため、中学2年秋にアンダースローへ転向した瀬田工業の岡本一徹投手。「アンダースローにしては球威のある球を投げるのが持ち味」という独特のフォームから投じる速球は最速133キロを計測し、プロ8球団のスカウトが視察に訪れるまでに成長した。小椋和也監督も「結構、球が揺れる。かなり打ちにくい投手」と評価する。

2年前の6月、母・一美さんを54歳の若さで亡くした。「元気だったのに急に病気で…」。最愛の母との突然の別れだったが、「ずっと落ち込んでいても、母は望んでいない」と、チームメイトの温かい励ましもあり、すぐに練習に復帰した。小椋監督も、妻・敦子さんに頼んでほぼ毎日、栄養と愛情のこもった弁当を作ってくれたという。「瀬田工に来て良かったと一番、感じました」。多くの支えに感謝し、「甲子園に行って頑張っているところを見せたい。それが一番の恩返し」と、天国の母へ吉報を届けることを誓う。

星林・則藤瑞起投手、智弁にリベンジして聖地へ

星林高校にも注目の好投手がいる。則藤瑞起投手は173cm68kgと小柄だが、最速144キロの速球を投げて中有目される。「直球の力強さが武器。ピンチでも打者との勝負を楽しめる」という強心臓で、今春の和歌山県大会ではチームを18年ぶりの準優勝に導いた。

昨年9月から週2日のジムトレーニングを取り入れ、体重は約10キロ増加し「7、8割の力で投げ、要所でギアを上げる余裕が出てきた」と話す。春の大会後には、センバツ出場の滋賀学園を相手に延長11回を無四球2失点に抑えるなど、強豪相手にも物怖じしない。「辻監督からは、自分で考えて練習をしなさいと教えを受けている。野球をするのが楽しい」と、自主性を重んじる練習で才能を開花させた。初戦の相手は22年センバツ出場の和歌山東。「このメンバーで長く野球がしたい。智弁(和歌山)にリベンジして甲子園へ」と、忘れられない夏を刻む。

フォーク黒田レイモンド豪選手 プロフィール

  • 氏名:フォーク黒田 レイモンド豪
  • 生年月日:2007年11月30日
  • 出身地:神戸市
  • 経歴:堺中央ボーイズ(同志社国際中1年) – 同志社国際高校(3年)
  • 投打:右投右打
  • 身長・体重:190cm・81kg
  • ポジション:内野手、投手
  • 主な特徴や実績:プロ注目の大型リードオフマン。投手としても最速140キロを誇る。卒業後は米国の大学へ進学し、メジャーリーグを目指す。日本野球学会で「スカラーアスリート」に関する研究を発表し最優秀賞を受賞。50メートル走6秒3、遠投110メートル。

岡本一徹投手 プロフィール

  • 氏名:岡本 一徹
  • 生年月日:2007年12月30日
  • 出身地:滋賀県大津市
  • 経歴:長等スポーツ少年団(長等小2年) – 大津Zクラブ(皇子山中) – 瀬田工業高校(3年)
  • 投打:右投右打
  • 身長・体重:177cm・78kg
  • ポジション:投手
  • 主な特徴や実績:最速133キロを誇るアンダースロー右腕。プロ8球団が視察。中学2年秋にプロ入りを目指しアンダースローに転向。最愛の母の死を乗り越え、最後の夏に挑む。試合前にはサザンオールスターズの「君だけに夢をもう一度」を聴く。

則藤瑞起投手 プロフィール

  • 氏名:則藤 瑞起
  • 生年月日:2007年11月12日
  • 出身地:和歌山市
  • 経歴:貴志少年野球団(貴志南小1年) – 和歌山ボーイズ(貴志中) – 星林高校(3年)
  • 投打:右投右打
  • 身長・体重:173cm・68kg
  • ポジション:投手
  • 主な特徴や実績:最速144キロ右腕。ソフトバンク・小久保裕紀監督の母校のエース。今春の和歌山県大会でチームを18年ぶりの準優勝に導く。星林高校では1年夏からベンチ入りし、2年秋からエース。
2025年度-近畿のドラフト候補とみんなの評価
ドラフト候補の評価や動画、みなさまのコメントを紹介します
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この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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