第107回全国高校野球選手権大会の決勝で、沖縄尚学(沖縄)を悲願の初優勝に導いた立役者の一人が、4番・捕手の宜野座恵夢選手(3年)だ。決勝での決勝打を含む3安打2打点の大活躍。阪神タイガースのキャンプ地・宜野座村で育った“虎党”が、憧れの甲子園で最高の輝きを放った。試合後、卒業後は社会人野球へ進むことを明言した。
「宝物です」決勝で躍動、大会最多安打&最多タイ打点
「甲子園、最高の舞台、阪神の本拠地、そこで優勝。宝物です」。試合後、宜野座恵夢選手は感無量の表情で語った。その言葉通り、聖地での活躍は圧巻だった。決勝では1-1で迎えた6回2死二塁のチャンスで、日大三のエース・近藤優樹投手から勝ち越しとなるレフト前タイムリー。8回にもダメ押しのタイムリー二塁打を放つなど、3安打2打点でチームを頂点へと導いた。
今大会、初戦は7番打者としてスタートしたが、準決勝から4番に座ると、勝負強い打撃でチームを牽引。大会通算11安打は出場選手中トップ、7打点もトップタイという堂々たる成績を残した。「チャンスで回ることが多い。走者を還すことを心がけていました」。その言葉通りの活躍だった。
“虎の申し子”阪神・梅野選手との絆
その活躍の裏には、阪神タイガースとの不思議な縁があった。生まれ育ったのは、阪神の春季キャンプ地である沖縄県宜野座村。「プロ野球は小さい頃から阪神しか見てこなかった」という生粋の虎党だ。小学生の時には、キャンプ中に行われた野球教室で、当時から憧れていた梅野隆太郎捕手から直接指導を受けた経験もある。「小さい頃に教わったことを自分で大事にしている」という“師匠”の教えを胸に、捕手としても2年生Wエースを巧みにリードした。
その活躍は、海を越えて梅野選手本人にも届いた。自身のインスタグラムで「宜野座くんすごっ」と投稿されたことを知ると、「自分のことを知ってくださっていることが一番うれしい」と大興奮。「決勝戦でも、いい結果を見ていただけたらうれしい」と語っていたが、最高の形で恩返しを果たした。
社会人野球で夢の続きを
将来の夢は、もちろん阪神のユニフォームに袖を通すこと。「目がつけられるまで活躍できるように頑張りたい」と語るが、卒業後はまずは社会人野球に進むことを決めている。聖地で得た自信と、多くの人々の支えを胸に、宜野座恵夢の挑戦は続いていく。
宜野座恵夢選手 プロフィール
- 氏名:宜野座 恵夢(ぎのざ えいむ)
- 生年月日:2007年5月6日
- 出身地:沖縄県宜野座村
- 経歴:漢那イーグルス(小1) – 宜野座中学校(軟式野球部) – 沖縄尚学高校(3年)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:175cm・76kg
- ポジション:捕手
- 主な特徴や実績:沖縄尚学の4番・正捕手として2025年夏の甲子園初優勝に貢献。決勝で決勝打を含む3安打2打点。大会通算11安打(最多)、7打点(最多タイ)。阪神のキャンプ地・宜野座村出身の熱烈な虎党で、小学生時代に梅野隆太郎捕手から指導を受けた経験を持つ。卒業後は社会人野球へ進む予定。






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