10月23日のドラフト会議では、大阪桐蔭が8年連続の指名となる可能性が非常に高くなっている。二枚看板の最速153キロ右腕の森陽樹投手と、151キロ右腕の中野大虎投手は、今年、春・夏共に甲子園出場を逃す悔しさを味わったが、互いに切磋琢磨してきたライバルが、同校からの投手ダブル指名を目指す。
エースナンバー分け合った二枚看板
森陽樹投手と中野大虎投手は、常勝軍団・大阪桐蔭で常に比較され、高め合ってきた存在だ。共に1年秋に公式戦デビューし、1年時は190cm近い身長から140キロ後半の速球を投げる森投手怪物として注目された。そして2年秋は森投手が背番号1をつけた。
しかし、やや伸び悩みで登板ごとに調子の波も見せる森投手に対し、中野投手はスケールや球速こそ劣るものの、角度ある速球と得意のスプリットで安定した投球を見せ、3年春夏は中野投手がエースナンバーを背負った。
森投手は中野投手を「アドバイスもくれる、高め合えるいい存在」と語り、中野投手も「森と一緒に投げてきた。目指すべき存在」と認める。
雪辱期す153キロ右腕・森
最後の夏、決勝で敗れ6年ぶりに春夏の甲子園を逃した。「ずっと引きずっても仕方ない。次の目標に向けてやってきた」と語る森投手。侍ジャパンU18日本代表の選考からも漏れたが、同学年の石垣元気投手(健大高崎)らの活躍を刺激に、「プロでは最終的に自分が一番活躍できるように」と、怪我をしない体作りに励んできた。「まだ緊張なく、普段通りに過ごせています」と、静かにその時を待つ。
一方の中野投手は、U18日本代表としてW杯に出場し、最多勝利投手賞を受賞する活躍で準優勝に貢献した。大阪桐蔭で投手での主将という大役を終え、現在は自分自身と向き合う時間を過ごしている。「2年時から体の使い方を勉強してきて、その本を詳しく読んだり、今は実践できる環境にもある」と、探究心を武器にさらなるレベルアップを図る。
8年連続指名&W指名なるか
大阪桐蔭からは2022年に松尾汐恩選手、2023年に前田悠伍投手ががドラフト1位指名を受け、その前も2021年は松浦慶斗選手(北海道日本ハム7位)と池田陵真選手(オリックス5位)、2020年は仲三河優太選手(埼玉西武7位)、2019年は中田惟斗投手(オリックス育成3位)、そして2018年は藤原恭大選手(千葉ロッテ)、根尾昂選手(中日)がドラフト1位で、柿木蓮投手(北海道日本ハム5位)、横川凱投手(巨人ドラフト4位)と4人が指名されている。
昨年、ラマル ギービン・ラタナヤケ選手が埼玉西武の育成ドラフト3位で指名を受け、7年連続ドラフト指名記録を守った。今年もドラフト指名は確実視されており、森投手・中野投手のW指名の期待もかかる。
世界の舞台を経験した中野投手は、ドラフト会議にむけて「緊張はないですね」と落ち着いた表情を見せる。同じプロの舞台に二人が立ち、そしてまたライバル関係を続けていく。
森 陽樹 プロフィール
- 氏名:森 陽樹(もり はるき)
- 所属:大阪桐蔭高校 3年
- 出身:宮崎県
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト候補。最速153キロ。2年秋にエースナンバーを背負う。
中野 大虎 プロフィール
- 氏名:中野 大虎(なかの だいと)
- 所属:大阪桐蔭高校 3年
- 出身:大阪府
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト候補。最速151キロ。3年春夏にエースナンバーを背負い、主将も務めた。U-18日本代表では最多勝利投手賞を受賞。

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