JX-ENEOSが連覇、橋戸賞も大城基志投手が2年連続、JR東日本は吉田一将投手が肘に打球受け降板

社会人野球ドラフトニュース 2013年ドラフトニュース

 都市対抗野球は2年連続、そして日本選手権も入れると3大会連続で、JX-ENEOSとJR東日本の対戦となった。

 JR東日本はドラフト1位候補の吉田一将投手が先発、この日は初回に三者三振を奪ったものの球威がなく、1回にランナーを許したあとに右肘に打球を受け、1回1/3で降板した。JX-ENEOSはここで慶應で主将を務めた山崎錬選手がタイムリー内野安打で先制した。

 4回にも1点を奪ったJX-ENEOSに対し、JR東日本は7回に松本晃選手が今大会4号となるホームランを放ち1点差に迫った。しかし、8回からは今大会全試合登板となり、準決勝で151球を投げて完投している大城基志投手が登板すると、2回をノーヒット1四球に抑えて勝利を手にした。

 大城投手は橋戸賞を獲得、昨年の都市対抗、日本選手権に続きMVPに選ばれた。昨年のドラフト会議では指名されずに悔しがった。昨年の都市対抗では4試合に登板したものの、決勝では1イニングのみの登板でスタミナ不足を指摘され今年は体力アップを計った。準決勝の完投も含め、決勝でも2イニングで抜群の安定感を見せた。

 大城投手を評価するとすれば、安定感という事になる。ストレートは130km/h前半から中盤、変化球も空振りを奪うような鋭さは無いが、インコース、アウトコースに入ってくる球、逃げる球を投げ分けられる。172cmと小柄で大学から4年目となる左腕だが実績は十分だ。この投手をプロがどのように評価するのか注目したい。抑え方、勝ち方を知っている投手なのは間違いない。

 歴史の扉をこじ開けた。実に51年ぶりの連覇達成。最後を締めて笑顔でマウンドを駆け下りるエース大城に、ナインが次々と抱きつく。1年間付き合ってきたプレッシャーから、ようやく解放された瞬間だった。

 「あしたから休みなので、きょうまでは頑張ろうと。勝てる投手を目指してここまでやってきた。去年より長い回を投げられたし、優勝できて良かった」

 社会人4年目。1メートル72の小柄な左腕は、8回からの2イニングを無安打に抑えて優勝投手に輝いた。全5試合に登板し、51、52年の全鐘紡・松井実内野手(日本生命からの補強)以来、61年ぶり2人目となる2年連続の橋戸賞受賞。「今は実感がないけど、少ししたら凄いことをやったな、と思うでしょう」と笑った。

 昨年は5試合中4試合に登板。決勝は8回の1イニングのみで、優勝の瞬間はベンチで見守った。大事な場面を任される真のエースを目指し、今年は1日200球前後の投げ込みを続けた。食事面ではパンやラーメンなどで夜食を取り、1日4食に。体重を昨年から5キロ増の70キロとし、スタミナを強化した。前日の準決勝では151球を投げて完投したが、その影響をまったく感じさせなかった。

 まさかのアクシデントだった。2回。JR東日本の先発・吉田は、宮沢の痛烈な打球を右肘に受けた。

 苦もんの表情を浮かべた今秋ドラフト1位候補は、投球練習で様子を見たが「変化球の押さえが利かず、抜けるような感じがあった。打たれてチームに迷惑をかけてはいけない」と降板。前日まで2試合17回2/3を無失点。初回も3者連続三振を奪う最高の立ち上がりだっただけに「悔しかった」と唇をかんだ。

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