2018年ドラフト総決算(7)社会人の選手達その2

2年待った選手、3年待った選手、そして今年が年齢的にもギリギリとなる社会人野球選手たち、2018年を迎えます。

主役離脱

今年の社会人野球のドラフト候補は、ドラフト1位候補の挙がる選手がいなかった。そんな中でさらに衝撃が走る。ドラフト上位の候補に挙がっていたパナソニックの吉川峻平が、日本野球連盟で規定された日程前にMLBのダイヤモンドバックスと接触し、しかも契約を交わしていたことが発覚した。吉川はパナソニックを通じて確認しながら進めていたというが、規定違反となり、日本野球連盟から永久追放処分となる。吉川は決まっていた侍ジャパン社会人代表を辞退し、社会人代表は一人少ない人数でアジア選手権を戦う事になった。

そんな中で日本通運の生田目翼は安定していた。春のJABA大会や都市対抗予選では、先発として抜群の安定感を誇った。今年からチームに復帰した武田久兼任コーチが長年プロでやってきた多くの経験を伝えた。都市対抗では打球が直撃するアクシデントがあり初戦の途中で降板をしてしまうが、社会人投手では筆頭候補として評価が定まった。またこの都市対抗で鮮烈な投球を見せたのが、三菱重工広島の杉山一樹だった。杉山は191cmの長身から151キロの速球を投げおろす。わかっていながらもストレートを空振りする社会人のバッターたちに、その力の高さを感じさせた。この杉山は社会人野球の実績もあまりない。しかしこの大会では間違いなくNO.1の球を投げた投手で、プロがどのような評価をするのかが注目されることになった。

その中で、社会人左腕たちはなかなかアピールをできなかった。期待された日本生命の高橋拓巳は、プロのスカウトが注目する春のシーズンで、大勢のスカウトが集まった試合で思うような投球できなかった。また都市対抗予選でもチームを本戦に導くことができず、「もう1年」という思いが本人の心にも、プロのスカウトの心にも浮かんだ。その中でJX-ENEOSの左澤優は、自分の役割をしっかりと認識して責任を全うする投球を見せ、プロの評価を挙げていった。

一方、野手では笹川晃平が期待されたものの、2年目の都市対抗でも思うような成績は残せなかった。社会人外野手では特に打撃で、宮崎敏郎のようなホームランを描くか、抜群のレーザービームや足を見せる必要がある。その中で、大きくアピールをしたのが大阪ガスの近本光司だった。近本は左右に外野手の頭をを超えるあたりに準決勝ではホームランも放ち長打力を見せる。また自慢の足でもアピールし、走塁やセンターの守備で躍動した。チームを優勝に導き文句なしの橋戸賞を獲得、打率も.524で首位打者となった。これだけの活躍を見せられれば、文句なしのドラフト上位候補となる。

そして今年、最も目立ったのはHonda熊本のベテラン・荒西祐大だったと思う。春のスポニチ大会ではエースとして日立製作所戦、日本製紙石巻戦で完投勝利を挙げて決勝トーナメントに進出する。決勝ではHondaに敗れたものの先発して好投を見せた。今年にかける思いを強く感じ取れた。荒西投手はその後の大会でも活躍を続け、都市対抗予選では3試合24回を投げて防御率1.18の好投でチームを本戦に導く。そして本戦では日本通運戦で先発し7回まで1失点と粘ったが8回に3点を失い敗れた。それでもここまで活躍を続けられれば、プロも指名をせざるを得ないというような投球だった。

1年間のアピールが終わり、そしていよいよ10月25日のドラフト会議を迎える。

2018年度-社会人投手のドラフト候補リスト
2018年度-社会人捕手のドラフト候補リスト
2018年度-社会人内野手のドラフト候補リスト
2018年度-社会人外野手のドラフト候補リスト


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