大学野球選手権の中止に、プロのスカウトも「これは痛いです」とショックを受けている。
クロスチェックは難しく
センバツ高校野球、社会人の日本選手権が中止となり、大学野球の選手権大会も中止となった。プロのスカウトは、春季大会も中止となった高校生について、夏の大会だけで選手をリストアップし、その後、高校を訪れて練習で選手をチェックするのは、秋に大学や社会人の大会も行われる中では非常に厳しいと言える。
その中で、大学野球選手権が中止となった。この大会は全国各地から力のある大学生が集まる大会で、大勢のスカウトが毎年視察をする。1球団でスカウト部長クラスや球団幹部クラスなど、複数のスカウトで一斉にチェックをし、力を見極めて見当をつけたうえで秋のリーグ戦でさらに追いかけていく。
また、今年は大学生のドラフト候補が豊富で、「今年は大学生のドラフト候補が豊作で、上位から下位まで指名の中心になりそうだから、夏の甲子園より、大学生の全国大会をチェックしたかった。東京六大学が1回戦の総当たり制でやるとか、どこのリーグも中止か縮小傾向なので、見たい大学生がチェックできない。これが一番困るんです」とあるスカウトは話す。
大学生はそれまで3年間の情報もあり、高校生に比べると選手のリストアップは進んでいるものの、スカウトは「上位候補なら、昨年3年時までの実力をある程度は把握しているけど、下位指名や育成で指名するレベルの選手の場合、最上級生の4年生になって急にリストに入ってくるケースが結構ある。現時点の実力が確認できなければ、指名を見送るしかありません」と、昨年までにリストアップされた選手以外の今年のドラフト会議での指名は難しいと話す。
大学生についてもチェックが難しくなったことに加え、プロ野球も試合の期間が短くなり、今年の状態があまりチェックできていない現役選手と、あまりチェックのできていないアマチュア野球の選手を比較することは、非常に難しいと言える。
別のスカウトは「全体で1人か2人くらいしか指名しない球団が出てくるかもしれません」と話し、今年のドラフト会議は超厳選の指名人数の少ないドラフト会議になる可能性がある。

「今年は大学生のドラフト候補が豊作で、上位から下位まで指名の中心になりそうだから、夏の甲子園より、大学生の全国大会をチェックしたかった。東京六大学が1回戦の総当たり制でやるとか、どこのリーグも中止か縮小傾向なので、見たい大学生がチェックできない。これが一番困るんです」
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