東都大学野球秋季リーグは24日、ドラフト上位候補たちが神宮の杜で躍動した。6連覇を目指す青山学院大学は、エース・中西聖輝投手が7回13奪三振無失点の快投、主砲の小田康一郎内野手が先制ソロ本塁打を放ち、開幕3連勝を飾った。一方、東洋大学の島田舜也投手は9回2失点と好投したが、チームはサヨナラ負けを喫した。
青学大のWドラ1候補が投打で牽引
王者・青学大の強さを見せつけた。先発した中西聖輝投手は、圧巻のピッチングを披露。7回を投げ3安打無失点、13個の三振を奪う快投で今季2勝目を挙げた。
2回に1アウト2塁から暴投で三塁に進まれたが、後続を空振り三振と見逃し三振で抑えると、3回以降は三塁を踏ませない投球で抜群の安定感を見せる。点差が開いた事から7回で降板をしたが、これで開幕戦から14イニング連続無失点とドラフト1位候補右腕の力を見せている。
13奪三振については「多かろうが、少なかろうが0点に抑えるのが僕の仕事」と語り、無失点を続けてチームに勝利をもたらす役割を果たしている。しかし、好投手タイプと言われる中西投手が2桁奪三振を記録する事は、球の強さや空振りを奪える変化球があるがあることを証明し、プロでの可能性を高めている。
ドラフト1位候補スラッガー
中西投手は春のリーグ戦で6勝を挙げたあと、侍ジャパン大学代表として日米大学野球でも投げるなど、かなりの疲労が溜まっているのは間違いなく、エースを援護することが青山学院大の打線にとっての指名だ。
そしてこの日はそのエースを3番を打つ小田康一郎選手がしっかりと援護した。初回2死で今季初安打となる先制のソロ本塁打を右翼ポール際に叩き込む。「最悪ファウルでも良いくらいで思いきり引っ張ろうと思って」という一発が決勝点となった。開幕2試合無安打だったが、「悪いイメージはなかった」と、思考を整理して結果につなげた。投打の柱の活躍に、チームメイトの中西投手も「基本的に申告敬遠ですね」と冗談めかしてその実力を称えた。
視察したスカウトも評価する。
広島・高山スカウト:「勝負強さがある。先週よりもボールに対して角度をつけてバットが出ていた」
また安藤監督も昨年にドラフト1位指名された西川史礁選手(千葉ロッテ)、佐々木泰選手(広島)と比較し、「コンタクト能力は2人より上」と評価する。西川選手はルーキーながらパ・リーグで安打を積み重ねており、佐々木選手も広島でポジションを掴み始めており、小田選手も非常に期待される。
東洋大・島田は雪辱の9回2失点も…
またこの日は、開幕戦で6回途中5失点と悔しい降板となった東洋大の155キロ右腕・島田舜也投手が国学院大戦で先発し、9回を投げて本塁打による2失点のみと力投を見せた。打線の援護に恵まれず、チームは延長タイブレークの末にサヨナラ負けを喫したものの、先週からの見事な修正を見せ、スプリットなど変化球を主体とした投球だった。
「打たせて省エネで試合をつくるのが先発の仕事。今日はそれができた」と手応えを語る一方、9回に浴びた同点弾には悔しさをにじませた。20日にプロ志望届を提出した右腕は、「ドラフト1位は目指していますし、それにふさわしい投球を心がけたい」と、残り試合での完全燃焼を誓った。
中西 聖輝 プロフィール
- 氏名:中西 聖輝(なかにし まさき)
- 所属:青山学院大学 4年
- 出身:智弁和歌山高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト1位候補。最速152キロ。秋季リーグ開幕から14イニング連続無失点を継続中。
小田 康一郎 プロフィール
- 氏名:小田 康一郎(おだ こういちろう)
- 所属:青山学院大学 4年
- 出身:中京高校
- ポジション:内野手
- 投打:左打
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト1位候補。東都No.1スラッガー。今春リーグ戦で本塁打、打点の2冠。
島田 舜也 プロフィール
- 氏名:島田 舜也(しまだ しゅんや)
- 所属:東洋大学 4年
- 出身:木更津総合高校
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト上位候補。最速155キロの本格派右腕。9回2失点の力投で復活をアピール。









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