秋季高校野球大阪大会は12日に決勝が行われ、大阪桐蔭が近大附属との壮絶な打ち合いを9-8で制し、2年ぶり13度目の優勝を飾った。来秋ドラフト候補のエース・吉岡貫介投手(2年)と1年生左腕・川本晴大投手の2枚看板が計8失点と崩れる波乱の展開となったが、4番の谷渕瑛仁一塁手(2年)が決勝打を含む2安打5打点の大暴れ。夏の悪夢を乗り越え、打線の力で王座に返り咲いた。
Wエースまさかの8失点、夏の悪夢再び
思わぬ展開が待っていた。先発した152キロ右腕で新エースの吉岡貫介投手は6回途中4失点で降板。後を受けた192cmの1年生左腕・川本晴大投手も、7回に2点のリードを奪った直後の8回に4点を失い逆転を許してしまう。2人で計11四死球を与えるなど制球に苦しみ、絶対的投手陣を擁しながら決勝で敗れた夏の大阪大会決勝を彷彿とさせる苦しい展開となった。
しかし、今年の大阪桐蔭はここからが違った。「ここで落ちたら前のチームと一緒」。その思いを体現したのが4番の谷渕瑛仁選手だった。2点を追う5回に同点となる2点タイムリー二塁打を放つと、1点を追う8回1死一、二塁の場面。左中間を深々と破る逆転の2点タイムリー二塁打を放ち、試合をひっくり返した。「自分のせいで点を取られてピンチになったので、ここで試合を決めると思って打席に立ちました」と、8回の失点に繋がるエラーを自らのバットで取り返した。
「活気」をテーマに掴んだ王座
6年ぶりに春夏の甲子園を逃した悔しさから、新チームは「活気」をテーマに掲げてきた。「意味のない声ではなく、野球をもっとしゃべろう、勉強しようとやってきた」と谷渕選手が語るように、逆境でも声を掛け合い、士気を落とさなかったことが、8回の逆転劇に繋がった。西谷浩一監督も「苦しいところでみんなで辛抱できた。みんなでカバーできたことは大きい」と、チームの精神的な成長を称えた。大阪1位で乗り込む近畿大会で、3季ぶりの聖地を目指す。
吉岡 貫介 プロフィール
- 氏名:吉岡 貫介(よしおか かんすけ)
- 所属:大阪桐蔭高校 2年
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。最速152キロ。大阪桐蔭の新エース。準決勝では7回までパーフェクト、2安打14奪三振完封の快投を見せた。
谷渕 瑛仁 プロフィール
- 氏名:谷渕 瑛仁(たにぶち えいと)
- 所属:大阪桐蔭高校 2年
- ポジション:一塁手
- 主な特徴や実績:大阪桐蔭の4番。秋季大阪大会決勝で逆転の決勝打を含む2安打5打点と大活躍し、チームを優勝に導いた。





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