秋季高校野球近畿大会は1回戦が行われ、大阪桐蔭が市立和歌山を7-1で下し、3季ぶりの甲子園出場へ向けて好発進した。来秋ドラフト候補対決として注目された一戦は、大阪桐蔭の4番・谷渕瑛仁(えいと)内野手(2年)が、市立和歌山の好投手・丹羽涼介投手からサイクル安打を記録。投げては新エースの吉岡貫介投手(2年)が3回をパーフェクトに抑える好リリーフを見せ、投打の主役が躍動した。
4番・谷渕がサイクル安打!ドラフト候補右腕を粉砕
圧巻のバッティングだった。今秋から名門の4番に座る谷渕瑛仁選手が、来秋ドラフト上位候補の最速151キロ右腕・丹羽涼介投手から快音を連発した。3回の適時二塁打を皮切りに、5回に右前打、7回に三塁打、そして9回にはライトスタンドへ公式戦2本目となるソロ本塁打を叩き込みサイクル安打を達成。「個人の結果よりチームが勝てばいい。全く意識していなかった」と語ったが、その打棒でチームを勝利に導いた。
好投手攻略の裏には、今秋ドラフト候補である3年生の森陽樹、中野大虎両投手の存在があった。「丹羽対策」として、両右腕が連日全力で打撃投手を務めてくれたおかげで、「めちゃくちゃ速いとは感じなかった」と、先輩への感謝を口にした。
谷渕選手は中学時代は捕手として活躍、140キロを記録する肩があり、二塁送球は1.86秒を記録していた。しかし大阪桐蔭では打撃を評価され、三塁手としてプレーをしている。この日の打撃と共に、肩の強さを生かしたプレーができることから、来年は捕手、または遊撃手などでのプレーもあるかもしれない。
新エース吉岡が3回パーフェクトリリーフ
投げては、新旧エースの継投が光った。先発した192cmの1年生左腕・川本晴大投手が6回1失点と試合を作ると、7回からは新エースの吉岡貫介投手がマウンドへ。3イニングを投げ、一人の走者も許さないパーフェクトリリーフで試合を締めくくった。夏の公式戦デビューで152キロを叩き出した逸材が、エースナンバーの重圧を力に変え、圧巻の投球を見せつけた。
名門復活へ「甲子園で日本一に」
昨秋は近畿大会初戦敗退、今夏は大阪大会決勝で敗れるなど、6年ぶりに春夏連続で甲子園出場を逃した大阪桐蔭。その悔しさを知る新チームが、王座奪還へ向けて最高のスタートを切った。「甲子園に出て日本一になってこそのチーム」と谷渕選手が語るように、目標はあくまで全国の頂点。投打にタレントをそろえる競合が、3季ぶりの聖地へ突き進む。
吉岡 貫介 プロフィール
- 氏名:吉岡 貫介(よしおか かんすけ)
- 所属:大阪桐蔭高校 2年
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。最速152キロ。大阪桐蔭の新エース。近畿大会初戦で3回パーフェクトリリーフを見せた。
谷渕 瑛仁 プロフィール
- 氏名:谷渕 瑛仁(たにぶち えいと)
- 所属:大阪桐蔭高校 2年
- 出身:高知県四万十町
- ポジション:三塁手
- 投打:右投左打
- 身長・体重:177cm・77kg
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。大阪桐蔭の4番。近畿大会初戦でサイクル安打を達成。勝負強い打撃が魅力。
川本 晴大 プロフィール
- 氏名:川本 晴大(かわもと はると)
- 所属:大阪桐蔭高校 1年
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 身長・体重:192cm・95kg
- 主な特徴や実績:2027年ドラフト候補。最速146キロの1年生大型左腕。近畿大会初戦で先発し6回1失点と好投。








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