侍ジャパン、内野守備から崩れて台湾に2年連続連敗

侍ジャパンU18代表は、これまでの歴史を見ても、良くない1日というのはあるが、この日は特に不運も重なり、課題も見えた日となった。

この日は1-0でリードした3回、宮城大弥投手が先頭バッターをヒットで出すと、さらにヒットで1アウト1,3塁のピンチを迎える。そしてこの場面で、ファーストランナーが盗塁を仕掛けてキャッチャーの送球を誘う。捕手の山瀬慎之助選手はすぐに送球せず、ランナーの動きを見てからセカンドの矢のような送球を送った。坂下翔馬選手もベースのかなり前で捕球をしサードランナーをけん制したあと、一二塁間で止まっていたランナーを全速力でファーストに追い込み、韮澤雄也選手に送球した。

韮澤選手も素早くタッチをし、ランナーを確認するとホームに向かって走りだしており、送球をしたものの間一髪まにあわず、同点となる1点を与えてしまった。相手のトリックプレーを破るためのプレーで、成功すれば併殺を奪うという高等なプレーだったが、結果的にファーストのランナーもセーフとなってしまった。

ただし、このプレーは仕方ない。普通ならばセカンドへの送球もしないところだが、まだ試合序盤という事もあり、1アウト2,3塁で大量失点につながるよりは、同点に追いつかれてもファーストランナーを殺すという手もあったかもしれない。しかし、これだけのレベルのそろった選手ならば、併殺にするくらいの自信はあったのだろう。また一塁ランナーもタッチはしており、ビデオチェックでも見逃されるというのは、運が悪かったとしか言えない。

内野守備

しかし、5回裏にはショートの熊田任洋選手が、それほど難しくないプレーで、一塁への送球がワンバウンドとなり、韮澤選手も安全に捕球をしてタイミングはアウトだったが、セーフとなった。そして、1アウトとしてからピッチャー強襲の当たりを宮城投手はグラブではじき、熊田選手の正面に来たが、併殺を狙ったのかセカンドへの送球がそれてしまう。ファーストに投げていてもタイミングは微妙だったかもしれないが、難しいプレーにしてしまった。

結局、エラーで出たランナーを、2ベースヒットで還され、2点を奪われた。そしてこの回で雨が強くなり、そのまま降雨コールドとなった。宮城投手は執拗にけん制をしたり、台湾の選手がバッターボックスに土を入れるように要求して試合を長引かせたが、結果的に台湾の白星へつながってしまった。

内野守備は昨年も痛い目を見ている。韓国戦ではショートの小園選手が不安定な守備をいくつかして、台湾戦でもエラーをしている。その台湾戦ではそれが失点にはつながっていないが、流れは悪くなり、投手を疲れさせてしまう。昨年も台湾戦は1-3で敗れているが、今年も1-3で敗れ、2年連続で2連敗となった。

15アウト中10個がフライアウト

攻撃でも、初回に武岡龍世選手が四球で出て、盗塁を仕掛けて揺さぶり、石川昂弥選手がさすがの打撃を見せて1点を奪った。前日のアメリカ戦と同様に、相手に油断せず、勢いが持続していると思われたが、韮澤選手と遠藤選手の打撃がやや気になった。

そして2回以降は飛球を上げ続け、2回には2つ、3回には3つ、そして5回には3つのレフトフライを打ち取られた。侍ジャパンは5回までの15アウトの内、10個がフライアウト。台湾は三振も多かったが、フライアウトは3個のみ。雨でぬかるむグラウンドで、また前日に守備エラーの多かった侍ジャパンの課題をついてきた。侍ジャパンはアメリカ戦ではセーフティバントなどの動きも見せて揺さぶっていたが、この日はそれも見られなかった。

4回に2ベースヒットを打った石川選手も、投手のモーションが盗めたからかもしれないが、するすると三塁に走り出し、投手が気付いてサードでアウトとなった。同点に追いつかれた後の回で、1点を奪っていれば流れは持ってこれたかもしれず、残念な走塁だった。

この日、ヒットを打ったのは石川選手の2本のみ。相手の王投手は昨年も侍ジャパンを抑えており、この日も登板も予想されていたと思うが、どれだけ分析ができていたのだろう。ただし打てないというのは相手の力もあり仕方ない面もある。それでも、簡単に飛球を打ち上げ、相手投手や相手の守備を慌てさせるプレーが初回以外にほとんどなかったのが残念だった。

この1敗は大きくつく。今日パナマに勝利してスーパーラウンドに進出したとしても、2勝1敗からのスタートとなる。そして、アメリカ、台湾とは戦う事ができず、台湾と日本が同率になった場合には、直接対決で勝っている台湾が勝ち上がる。

仲井ヘッドコーチが試合後にU18ナインに対して、「そんなんで世界一取れるんか! 14万人の代表ちゃうんか!虚勢を張んな、上っ面なんていらん。そんな甘ないんじゃ!」と強烈に怒鳴り声をあげた。

日本はどちらかというと、投手を中心にして守備で勝っていくスタイルだと思うが、肝心の内野守備で、他国よりもエラーを見せていては勝てない。2年連続で内野守備に悩まされているU18代表、高校生の技術は低下しているとは思えないが、うまい選手が現状に満足してしまい、上のレベルに進むと、身体能力の高い選手や打撃のある選手に追い越されてしまうケースも少なくない。もっと高校生の内野守備のレベルを高めていかなければと思う。

侍ジャパンU18日本代表メンバー(2019)一覧


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