193cmの長身右腕として注目の天理の達孝太投手が、大和広陵戦で4回を投げて6安打4四死球で3失点し、自ら降板を申し出た。この試合には日米11球団のスカウトが視察をしている。
自ら降板
今夏の初登板となった達孝太投手だったが、ストレートは144キロを記録し、力も見せたが、初回から高めに浮いて四球を与えた。その後もストレートの制球ができず、3回を終えた所で中村監督に4回で降板することを申し出た。「きょうは投げ続けても良い感覚が戻ってこないと思ったので」と話した。
試合は15-3で大勝したが、試合後のインタビューで、「自分をまったくコントロールできず、残念です。ゼロです。ゼロ点です」と自己評価をした。
達投手はセンバツで148キロを記録し、ドラフト1位クラスと評価を受けた。しかし、その大会で右脇腹を痛めて、準決勝の東海大相模戦は登板しなかった。また大会後は右肘の痛みもあった。
「もう痛みとかはまったくないです」と話すものの、センバツ後は練習試合で2試合、2イニングと5イニングを投げただけで実戦が不足している。体力的な状態もまだ7,8割と話している。
スカウト評価
この日は巨人・阪神・東北楽天など日米11球団のスカウトが視察をしたが、評価を大きく変えることはない。
楽天・後関スカウト部長:「手足が長く、彼の高校時代とダブる。5年後、10年後に伸びてくる素材としては抜群」
阪神・山本スカウト:「故障明けでまだ3試合目の登板。ちょっと下半身が大きくなって、腕も振れるようになってきた。きょうの結果は良くなかったし、現状では高知の森木とか市和歌山の小園のほうが上だけども、もともと魅力のある投手で、伸びしろに将来性のある投手。初戦はいい選手でもこういうことがある。だからといって評価が下がることはない。」
元々、大型右腕投手として将来性が注目されていた達投手、しかし、昨年夏の甲子園での投球からこの春のセンバツまでに、実戦でも素晴らしい球を投げ、そして結果を残しており、かなり即戦力の近い形という見方も出てきて、ドラフト1位クラスと評価を受けるようになった。
故障により、風間投手や小園投手に比べると状態は良くなく、夏の間にどこまで戻って来るのかだが、たとえ状態が戻って来れなかったとしても、将来性を十分評価され、ドラフト2位までには指名されると見られる。

ネット裏には日米11球団のスカウトが並んだ。阪神の山本宣史スカウトは「故障明けでまだ3試合目の登板。ちょっと下半身が大きくなって、腕も振れるようになってきた。きょうの結果は良くなかったし、現状では高知の森木とか市和歌山の小園のほうが上だけども、もともと魅力のある投手で、伸びしろに将来性のある投手」と評価は不変だ。
春季奈良大会で右肘を痛め、完調後の実戦登板はこれが3戦目。実戦感覚が戻らないのも無理はなかった。岩隈久志を発掘した楽天の後関昌彦スカウト部長も経緯を踏まえ「手足が長く、彼の高校時代とダブる。5年後、10年後に伸びてくる素材としては抜群」と高い評価は変わらない。
四回に「本来なら悪いなりに投げながら修正していくんですが、今日は投げ続けてもいい感覚に戻らないと思った」と自身の判断でマウンドを降りたが、集まった日米11球団の評価は変わらず。阪神・山本スカウトは「初戦はいい選手でもこういうことがある。だからといって評価が下がることはない。達には将来性の伸びしろに魅力を感じている」とコメントした。
達は「左足がつくタイミングがまったく合わなかった。0点でした」と話した。この日の最速は144キロだった。

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