今夏の静岡県大会で8強入りした伝統校・静岡商業の山本敢生(やまもとかんう)投手が、プロ志望届を提出したことが1日に高野連から公示された。大学進学の選択肢もあった中で、「高校から挑戦したい」と強い覚悟を表明。今後は巨人などNPB球団の新人テストなどを受験し、夢の舞台への切符を掴みに行く。
ダルビッシュを手本、6球種を操る投球術
184cmの長身から多彩なボールを投げ込む。山本敢生投手は、最速141キロのストレートに加え、カーブ、チェンジアップ、スライダー、スプリット、カットボール、ツーシームと6種類もの変化球を操る技巧派右腕だ。野球に関する探究心が強く、手本とするパドレスのダルビッシュ有投手のように、「大会ごとに新しい球種を習得する」ことを自身に課してきた。昨秋にスプリット、今春にカットボール、そして夏前にはツーシームを習得し、投球の幅を大きく広げた。
昨年オフには、母校のOBである大野健介氏(元早大、ヤマハ)から学んだメディシンボールを使ったトレーニングを導入。地道な努力が実を結び、球速も4キロアップするなど、着実な成長を遂げている。
「高校から挑戦したい」球団テストで夢を掴む
夏の静岡大会では、3回戦の浜松湖南戦でリリーフで1回ノーヒット、4回戦の知徳戦では先発して8回を投げ9安打6奪三振3失点で勝利した。準々決勝の静岡戦では4回から2番手で登板し、6イニングを6安打2奪三振3失点で0−5で敗れ、思うようなアピールができなかったが、プロ入りへの思いは揺るがなかった。
「簡単な道ではないと思いますが、チャンスがあるなら早くプロに行きたい」と、大学進学ではなく高校からのプロ挑戦を決断すると、すでに10月5日に行われる巨人の新人テストに応募済み。他にも地元のファーム球団・くふうハヤテや独立リーグのトライアウトも視野に入れ、プロ入りへの最短距離に挑戦をしていく。
静岡商の曲田雄三監督も「こだわりを持ち、課題に真摯に向き合える選手」と、その姿勢を高く評価している。投球はストレートも動くタイプの投手で、135キロ前後のストレートを投げる完成度の高い投手で、プロテストで合格するにはやはり将来性、ストレートがどこまで伸びていくか、その可能性を示したい所だろう。
強い意志を武器に、山本投手が自らの手で未来を切り拓く。
山本 敢生(やまもと かんう) プロフィール
- 所属:静岡商業高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:184cm・80kg
- 主な特徴や実績:2007年11月19日生まれ、17歳。静岡県出身。最速141キロ。スライダー、カーブなど6種類の変化球を操る技巧派右腕。手本はダルビッシュ有投手。


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