第96回都市対抗野球大会は2回戦、ヤマハ(浜松市)が大阪ガス(大阪市)に12-1で大勝し、2年ぶりのベスト8進出を決めた。この試合で、投打のルーキーコンビが大活躍。先発の梅田健太郎投手が8回1失点の快投を見せると、4番の森川凌選手が元巨人・桜井投手から豪快な2ランを放ち、他にも注目のルーキが出場してチームを勢いづけた。
新人・梅田が圧巻の8回1失点7K!
初めての東京ドームのマウンドで、ルーキー右腕が堂々のピッチングを披露した。先発した梅田健太郎投手は、ストレート、カーブ、フォークを軸に抜群の制球力を見せ、8回を投げて4安打1失点、7奪三振、そして無四球という圧巻の内容。普段は余り投げないチェンジアップもしっかりと決まり、ポイントとなる球となった。
梅田投手は横浜隼人高校から立正大に進み、大学で150キロに到達した。ヤマハに進むとフォームを改造して151キロを記録、成長を見せている。「一球一球全力でやりました。意外と緊張はあったけど、うまく投げられました」とこの日の投球振り返った右腕は、この投球により来年のドラフト会議での指名にもつながりそうなものだった。
4番・森川は元巨人・桜井から豪快2ラン
その梅田投手の好投に応えたのが、同期入社の4番・森川凌選手だった。1-0で迎えた3回無死一塁の場面。大阪ガスの補強選手で元巨人の桜井俊貴投手が投じた初球の甘いストレートを完璧に捉えると、打球は右中間スタンドに突き刺さる1号2ランとなった。「打った瞬間入ったと。1打席目は三振に取られたが、2打席目は失投を捉えることができた」と、修正能力の高さも見せた。
森川選手は神戸国際大付から神戸学院大に進み、大学では2年時から4番を打つと、3年時にはチームの主将に抜擢され、4番捕手としてチームを率いた。この日は指名打者での出場だったが、こちらも将来につながる一発を放った。
ヤマハは申原直樹監督が進めるチームの若返りを図り、今年は他にも大学代表候補だった中部大の清水智裕捕手や、国学院大で注目された土山翔生内野手、中部学院大の149キロ右腕・北田智朗投手などが加わった。この日は土山選手が9番セカンドでスタメン出場し初回の安打を放つと、清水捕手も終盤にマスクを被った。元プロでベテランの網谷選手も変わらぬ活躍を見せ、そして高校から入部してチームを引っ張ってきたベテランの前野選手もこの日ホームランを放った。
ルーキーの勢いとベテラン力が噛み合ったヤマハは、9回に一挙8点を奪う猛攻で大阪ガスを圧倒。35年ぶりの頂点へ向けてチームが加速している。来年は高校生、大学生と豊富な人材が揃うと見られるドラフト会議で、社会人も注目の活躍を見せ始めている。
梅田 健太郎(うめだ けんたろう) プロフィール
- 所属:ヤマハ
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:22歳の新人右腕。最速150キロ超。都市対抗2回戦で先発し、8回1失点7奪三振無四球の快投でチームを準々決勝に導いた。
森川 凌(もりかわ りょう) プロフィール
- 所属:ヤマハ
- ポジション:指名打者
- 主な特徴や実績:22歳の新人。4番打者。都市対抗2回戦で元巨人・桜井投手から大会1号となる2ランホームランを放った。



コメント