東京六大学の明大vs東大の3回戦は、明治大が12-3で東大に勝利し勝ち点を獲得した。明大・柳裕也投手、東大・宮台康平投手のエース対決は、柳投手に軍配が挙がった。
5回9奪三振
柳投手は昨年のユニバーシアードでも韓国戦で6回2安打10奪三振、準決勝のアメリカ戦で4回2/3を投げて1安打8奪三振とヒットを許さずに三振を奪っていく投球ができる。今週の東大とのカードでは、初戦は9回2安打8奪三振1四死球、コントロール良く変化球と織り交ぜる柳投手の投球スタイルで完封勝利し、この日は5回を投げて1安打9奪三振3四死球、最速は144キロだが110キロ台のカーブを織り交ぜて、見逃し三振を奪ったり、回転の良い速球で空振り三振を奪いていった。そして5回までに点差がひらくと降板した。
球速では田中正義投手や慶大・加藤拓也投手までは及ばないが、先発して試合を作ることができる球を持っている。この日は9球団20人のスカウトが視察し、巨人の山下スカウト部長は、「安定感、冷静な投球で試合を作れるところを高く評価している。上位候補? もちろん」と先発投手としてドラフト上位に入ってくると評価をした。
柳投手はこれでリーグ通算14勝、今季は2勝0敗とした。防御率も0.00で、まずは最高のスタートを切った。
宮台投手打たれる
一方、東京大エースの宮台康平投手は、先発をしたものの3回まで6安打を許して1回から3回まで1点ずつを奪われて降板した。宮台投手対策をしっかりとやってきた明治大打線を抑えることはできなかった。
大学1年時と2年春はリリーフとして、2年秋は先発を経験するも、好投を続けても5回前後で降板させていた。宮台投手をじっくりと育てている方針が感じられた。そして今年は満を持して1戦目の先発を任せ、早稲田大戦、明治大1回戦で完投して1失点の投球を続け、エースとしての投球を見せた。
しかし大学野球の場合、3戦目にもつれた時、その試合もエース託されることがほとんど。この日の宮台投手は、監督が「コンディション50点、内容的に10点」と話すように、3日前の1戦目で136球を投げた疲労が残り、いつものストレートのキレがなかった。
東大はチーム事情的に3戦目まで戦う事は少ない。この試合でもう一つ乗り越える壁を目にした。それを乗り越える事で、「勝ち点」を奪うチームのエースとなることができる。
9球団20人のスカウトの前で力投し「安定感、冷静な投球で試合を作れるところを高く評価している。上位候補? もちろん」と巨人・山下スカウト部長は断言した。
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