札幌六大学野球秋季リーグが25日に開幕し、春秋連覇を目指す北海学園大学が札幌国際大学に4-3で辛勝した。この試合で、プロ注目のWエース、最速147キロ左腕の木村駿太投手と最速153キロ右腕の高谷舟投手(ともに4年)が、ネット裏に集結した9球団のスカウトの前で、それぞれ持ち味を発揮し勝利に貢献した。
先発・木村駿太、142球の粘投で試合作る
開幕のマウンドを託されたのは、今春のリーグ戦で最高殊勲選手賞に輝いたエース左腕・木村駿太投手。この日は最速は143キロをマークし、8回2/3を投げて7安打4奪三振4四死球で3失点(自責1)と、粘りのピッチングで試合を作った。「最初の試合は大事。何とか勝てるように、いつもどおり自分の投球をしようと心がけた。四死球がちょっと多かったけど、その中でも粘りながら投げられた」と、142球の粘投を振り返った。
6月の全日本大学野球選手権でチームを46年ぶりの8強に導いた左腕。大学最後のシーズンに向けて、「チームでとにかく優勝するっていう目標がある。そこに向かって、まだ10分の1試合。絶対に優勝できるように頑張ります」と、春秋連覇へ向けて力強く語った。
高谷舟、150キロで火消し!進路は「プロ一本」
1点差に詰め寄られ、なおも9回2死一塁の緊迫した場面。マウンドに上がったのは、プロ注目の剛腕・高谷舟投手だった。「1人で投げると思っていたので、正直投げないと思っていた」と、木村投手が完投すると思っていた所に想定外の出番にも動じず、初球にいきなり150キロを計測。最後は3球でセカンドゴロに打ち取り、見事な火消しでチームを勝利に導いた。
8月15日に行われた日本ハム2軍とのプロアマ交流戦で2回無失点と好投し、「通用すると感じた」と自信を深めていた右腕。進路については、社会人の強豪チームからの誘いを断り、「プロ一本」に絞ったことを明言。「野球をやる以上、小さい頃からプロを目指してきた。中途半端な気持ちより、覚悟を決めてやらないといけない」。その覚悟を、この日の3球に込めた。
北海道日本ハムが道内関係者としてリストアップをしている両投手。木村投手は左腕投手で最速は145キロともっと球速は欲しい所だが、春に3勝1敗、防御率1.71でMVPを獲得し、大学野球選手権でも上武大戦で3回2/3を3安打4奪三振で無失点に抑えると、準々決勝の青山学院大戦には先発を任され、7回途中まで5安打で自責点2と結果を見せている。
高谷投手は153キロのストレートを投げる投手で、春先はコンディションの影響で登板は少なかったが、大学野球選手権の上武大戦ではリリーフで2回ノーヒット、青山学院大戦も2番手で登板し、3回を2安打で自責点2という成績を残している。強いストレートを投げられる右腕で、159キロ右腕の工藤泰己投手とともに指名が有力視されている。
木村駿太投手 プロフィール
- 氏名:木村 駿太(きむら しゅんた)
- 生年月日:2003年5月26日
- 出身地:札幌市
- 経歴:札幌稲穂小(稲穂ホークス) – 札幌稲穂中(札幌西シニア) – 札幌国際情報高校 – 北海学園大学(4年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:173cm・80kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速147キロのプロ注目左腕。2025年春季リーグで最高殊勲選手賞を受賞。全日本大学野球選手権ではチームを46年ぶりのベスト8に導いた。
高谷舟投手 プロフィール
- 氏名:高谷 舟(たかや しゅう)
- 所属:北海学園大学(4年)
- 出身高校:札幌日本大学高校
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:最速153キロを誇るプロ注目右腕。卒業後の進路は「プロ一本」を明言。8月15日の日本ハム2軍との交流戦で2回無失点と好投。



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