東京六大学リーグでは、明治大学が開幕5連勝を飾った。今秋ドラフト候補の最速155キロ右腕・大川慈英投手(4年=常総学院)がリリーフで登板し、150キロ台を連発する圧巻の投球で9回を三者凡退に封じた。これで今季4試合連続無失点リリーフを達成。春の骨折から完全復活を遂げた守護神が、5季ぶりの優勝へチームを牽引する。
守護神Jが150キロ連発で3人斬り
まさに圧巻のクロージングだった。6-3と3点リードの9回、マウンドに上がった大川慈英投手は、その期待に応える。150キロ前後の力強いストレートで法政大学打線を圧倒。先頭から2者連続三振を奪うと、最後は149キロの速球で中飛に打ち取り、試合を完璧に締めくくった。「リリーフ陣が頑張ってつないでくれたので、絶対に抑えてやるという気持ちで投げました」と、気迫のこもったマウンドを振り返った。
この日の快投で、開幕から4試合、計5イニングを投げて無失点を継続。3試合連続で3点差の場面での登板をきっちり抑え、守護神としての信頼を不動のものとした。
春の骨折から復活「状態は確実に上がっている」
その力強い投球は、苦難を乗り越えた証だ。今春のリーグ戦登板中に左足甲を骨折。手術を経て、この秋のラストシーズンに全てを懸けてきた。「バッターを差せるストレートが一番の強み。今日の感じでは、かなり差すことができていたと思う」と話す。
プロ志望届を提出しており、スカウト陣も球威を絶賛する。「東大、慶応戦より確実に上がってきていますし、良い球が投げられていた」と、試合を重ねるごとに状態が上がっていることを実感している。
5季ぶりVへ「抑えて、勝って終わりたい」
エースの毛利海大投手が先発し、素晴らしい球をみせたものの5回3失点。それでも明治大は、1年の山口瑛太投手が1回を抑えると、菱川一輝投手が2イニングを無失点、そして大川投手が抑え、盤石のリリーフ陣がチームを支えてて開幕5連勝と快進撃を続ける。2023年春以来、5季ぶりの優勝へ、絶対的守護神の存在は欠かせない。「有終の美というか。抑えて、勝って終わりたい」。大川投手の右腕が、チームを頂点へと導く。
ドラフト会議に向けてもスカウトの評価などがあまり聞かれない選手だが、ストレートは大学生投手の筆頭クラスといってよいだろう。来年の佐藤幻瑛投手に近い球を投げられる投手だ。母親も元バレーボール日本代表で素質も素晴らしいものがあり、将来的もまだ期待できる。リリーバーはプロでも貴重な存在で、即戦力として狙う球団が2位、3位で指名してくると予想される。
大川 慈英 プロフィール
- 氏名:大川 慈英(おおかわ じぇい)
- 所属:明治大学 4年
- 出身:常総学院高校
- ポジション:投手
- 投打:右投左打
- 身長・体重:180cm・75kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト候補。最速155キロの右腕。明治大学の“守護神”。今春に左足甲を骨折するも秋に復活し、開幕から4試合連続無失点。父は元格闘家、母はアトランタ五輪バレーボール日本代表。



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