2011年ドラフト戦線まとめ(中半戦)

ドラフト指名予想

前回は前半戦のまとめとして6月までの各球団のドラフト戦線についてまとめました。その時のドラフト状況はしたの表のようになります。今回は主に7月、8月の動き、高校野球に関する動きをまとめました。

チーム 指名選手 当時のチーム状況
埼玉西武 牧田、菊池、熊代、秋山らが1軍で活躍し始めた
横浜 藤岡貴裕投手をマーク 先発投手の崩壊
オリックス 藤岡貴裕投手に高い評価 左腕エースの必要性
広島 5月25日、野村祐輔投手の1位指名を公表 好調も投手陣強化
東北楽天 野村祐輔投手から藤岡貴裕投手の指名に 選手層が薄く岩隈の抜ける穴を埋めたい
阪神 伊藤隼太選手を筆頭に野手指名 外野手が不足
千葉ロッテ 6月8日、藤岡貴裕投手の1位指名を公表 成瀬、唐川に続く3番手投手必要
中日 高橋周平選手を高く評価 安定した投手力を発揮も野手の高齢化
北海道日本ハム 小谷野など野手の主力にケガ、ポスト稲葉必要
読売 12月15日に菅野智之投手の1位指名を公表 東野が勝てず投手必要。小笠原の不調も
福岡ソフトバンク 高橋周平選手を高く評価も王会長が菅野智之投手を視察 投打ともに安定
東京ヤクルト 投手ならば藤岡貴裕、野村祐輔、野手ならば高橋周平。 高い投手力。畠山、バレンティンが活躍

リーグ戦も終盤戦に差し掛かると、近い将来のチーム状況が見えて来るため、各球団もその状況をもとに候補選手の絞り込みの作業が始まってきます。またアマチュア野球の一大イベントである夏の高校野球が開催され、将来性と即戦力の兼ね合いも重要なポイントになってきます。それでは7月、8月の流れを見てみましょう。

7月、まずは東海大甲府・高橋周平選手に7球団のスカウトが集まりました。時に東京ヤクルトは編成部長以下3人のスカウトが訪れ、本気度を見せました。他に、千葉ロッテ広島埼玉西武横浜福岡ソフトバンク東北楽天のスカウトが訪れています。

足立学園の吉本祥二投手に日米15球団のスカウトが訪れ、千葉ロッテ広島などは「ドラフト1位指名だ」とコメントしていますが、この2球団は既に1位を公表しているチームなので、他球団に対する印象付けかもしれません。その中で埼玉西武は鈴木編成部長が「高校生の中で一番上の方」という言い方で評価をしました。

唐津商・北方悠誠投手に8球団が集結、特に福岡ソフトバンクが永山スカウト部長以下4人で視察をし、他球団を牽制するような動きを見せました。また、宮崎日大・武田翔太投手に日米13球団が訪れ、特に埼玉西武は8人のスカウトが集結しました。最近になって埼玉西武が北方投手を上位にリストアップしていると報道されていましたが、武田翔太投手、北方悠誠投手の駆け引きが行われている感じがします。

太成学院大高・今村信貴投手にはオリックスが特にマークしている印象で、長村編成部長は「左の高校生ではトップクラス。球を長く持てる才能は天性」と評価、左腕投手の獲得を狙っている感じがします。

そして最も評価を挙げていったのが、英明・松本竜也投手。投げるたびに10球団以上が視察に訪れ、福岡ソフトバンク・永山スカウト部長も「大型左腕でバランスがいい。将来が楽しみな好投手」とコメントするなど部長クラスが訪れるようになり、甲子園で左腕NO1の評価となりました。阪神横浜なども高く評価しています。

聖光学院・歳内宏明投手は毎試合10奪三振以上を記録するなど驚異的な三振奪取率を見せ、甲子園でも2試合で30奪三振という記録を残しました。巨人・山下スカウト部長、広島・苑田スカウト部長、オリックス・古屋編成部国内グループ長など各球団ともスカウト部長クラスが視察、中日・中田スカウト部長が「上位候補は間違いない」とコメントを残しますが、徹底的なマークをしている球団は少ない印象でした。ただし北海道日本ハム、阪神がスカウト会議で上位候補にリストアップ、上位で指名をしてきそうです。

甲子園で評価を確定させたのが、金沢・釜田佳直投手。予選でも日米15球団が視察し、甲子園でも活躍し、阪神オリックス北海道日本ハム千葉ロッテ横浜のスカウト会議で上位候補にリストアップされ、外れ1位も含めて1位12人の中に入るのは確実となってきました。

ここまでは高校生の動きを中心に見てきましたが、今度は球団側の動きを見ると、今シーズン最も話題を提供したのが阪神です。真弓監督と南球団社長が8月2日に会談し、外野手が補強ポイントであることを確認、デイリースポーツが慶大・伊藤隼太1位指名と報道しました。その後、東洋大とのプロアマ交流戦で藤岡貴裕投手に4回8奪三振という投球を見せられ、沼沢本部長も「揺るぎなき1位候補、最後まで悩む」とコメントするなど藤岡投手獲得を押す動きもあるようで、ハッキリと決まっているわけではありません。またはずれ1位以降では高校生投手の指名を予定しており、釜田佳直投手、松本竜也投手などを評価しています。

次に話題をさらったのが東北楽天星野監督が将来の主軸候補を探しており、開星・白根尚貴選手や日大三・横尾俊建、畔上翔、九州国際大付・三好匠などの名前を挙げました。日大三の二人は進学志望となり、白根選手の獲得に進んでいくと思われます。また、これは既報どおり、同志社大の小林誠司捕手を高く評価しており、2位指名の動きがあります。

以上、7月8月の主な動きをまとめました。最後に夏の甲子園終了後のスカウト会議で上位候補に名前が挙がった選手をまとめます。

チーム 上位候補選手 指名確実選手 予想される上位指名選手
埼玉西武 武田翔太、吉本祥二、北方悠誠(・・・右の高校生?)
横浜 釜田佳直、北方悠誠、松本竜也 藤岡貴裕、菅野智之(・・・関東の大学生投手)
オリックス 30人に絞り込む 藤岡貴裕、今村信貴、松本竜也(・・・左腕投手?)
広島 野村祐輔 歳内宏明
東北楽天 藤岡貴裕、小林誠司、白根尚貴(・・・全ポジションバランスよく)
阪神 高橋周平、吉本祥二、武田翔太
釜田佳直、歳内宏明、石川慎吾
伊藤隼太 藤岡貴裕、高橋周平、北川倫太郎(・・・野手、高校生投手)
千葉ロッテ 釜田佳直、北方悠誠、松本竜也 藤岡貴裕
中日 高橋周平
北海道日本ハム 釜田佳直、歳内宏明 藤岡貴裕
読売 菅野智之 北川倫太郎、松本剛(・・・2位以降は野手も)
福岡ソフトバンク 武田翔太、北方悠誠、松本竜也(・・・九州の投手は渡したくない)
東京ヤクルト 高橋周平、藤岡貴裕
この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

yukiをフォローする
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
シェアする

コメント