福岡ソフトバンクの永井編成育成本部長が、今年のドラフト指名について振り返っている。ドラフト1位指名・風間球打投手の公表については2週間前には決定しており、メリット・デメリットについて話し合って決めた。また、単独1位指名となり工藤監督は、「お前に抽選を味わわせたかった」笑ったという。
1位指名公表
福岡ソフトバンクは、風間球打投手のドラフト1位指名については「2週間前。例年それくらい」と早い段階で決めていたという。指名公表については「デメリットがないなら正々堂々行こうよと。メリットは、迷っている球団があれば、かぶるなと思わせられる。確実に取れる選手にシフトすることもゼロではない。公表しないなら、フロントにうまく立ち回ってもらわなければならない。トータルの判断で公表したほうがいいのでは、と結論になった」と話した。
実際にドラフト1位指名では「絶対に被ると思った。日本ハムさんや楽天さんもくるんじゃないかと」と話したが、「意外だった。実際、日本ハムさんが達孝太君を指名して、えっ、あとは楽天さんだけかと。そうしたら楽天さんが吉野創士くんを指名して、ええっと。」と状況を話した。
もし抽選となった場合に誰がくじ引きをするか、最初に工藤監督にお願いをしたところ、「俺はもういいから、会長にお願いしたら?」と断られ、王会長も「俺はもういいよ。もう1回監督に頼んでやらないなら、永井君、腹をくくりなさい」となり、自らだが抽選に望む予定だった。
外れ1位は?
他球団の1位指名については、「ロッテさんは松川虎生君をどうしても欲しかったはず。ドラフト時の順位が2位だったので、2位指名だと遠すぎる。2位で取れたら最高だろうが、残っていないかもしれない。後悔しないように1位でいったのでは?センターライン、特に捕手にいい選手がいたら取れるときに取りたいというのはある」と話した。
そして、もし風間投手が競合して獲得できなかった時についても、「1番目は風間くん。そこから、2番、3番、4番といるが、他球団に指名されて残らない。そこで誰がいるんだっけということになる。うちは森木大智君を抽選で外した阪神さんとかぶったかもしれない。」と話した。そして、「そうすると外れ外れになるかもしれない。そもそも森木君はどこか入札するだろうと。そうなるとうちは正木智也君だったのでは」と話した。
その他の指名選手について
正木智也選手は2位で指名した。「今年のチームはなかなか得点できない現状がある。ベテランの域にさしかかった野手陣の年齢も気になっていた」と話し、正木選手が必要だった。
3位の木村大成投手については、「左の高校生で評価が最も高かった。大型左腕の割にコントロールもまとまっている。残っていると思わなかった。指名できたのは大きかった。将来的に風間君と左右の両輪で期待できる」と話した。
4位の野村勇選手は「昨年に指名したかったが怪我で見送った。年齢が25歳になる事を含めて、4位でいけそうだと。他球団の動きで2位や3位じゃないと取れないとなれば、順位を挙げてでも取りたかった」と話した。
そして、公式戦で2試合しか登板のない大竹風雅投手の5位指名については、「これは情報勝ちだと思っている。作山スカウトがいい素材であることを調べ上げていた。手術した肘も回復して、投げる能力が非常に高い。他に調べている球団があれば、能力的に指名する可能性は十分ある」とし、「私が練習を見たのは故障上がりの時期で、万全で投げたところは見ていないが、スカウトの意見は尊重しないといけない。日頃見ている情報を最も重要視しなければいけない」と話した。
指名できなかった選手、育成指名選手
指名できなかった選手としては、横浜DeNAが4位で指名した三浦銀二投手について、「福岡出身でもあるし、可能性はあった。スカウト野中でも欲しかった選手だから。うちが考えていた順位では残っていなかった。このあたりがドラフトの難しさですね」と話した。
最後に、育成ドラフトについて、進学を検討している戸畑高の藤野恵音選手、福岡高の井崎燦志郎投手を指名した事については「進学に重きをおいているという情報はあった。でもトライはしてみようと。うちの育成方針をぶつけて、それでも進学なら仕方ない」と話し、藤野選手については、「二遊間も守れて足もある。他球団も見ていたし、本人も迷っている部分はあるだろう。時間をかけて育てたいということも含めて、お話させていただきたい。」と話した。


コメント
こういうドラフト裏話は面白い
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