10月24日に行われた2024年のドラフト会議、支配下で69人、育成で54人の合計123人が指名されました。指名選手の内訳から、今年のドラフトを分析してみます。
支配下ドラフト指名選手
小さい文字は昨年・一昨年の指名人数
高校 | 大学 | 社会人 | 独立他 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
投手 | 13←11←12 | 15←20←12 | 8←10←12 | 2←4←0 | 38←45←36 |
捕手 | 1←4←4 | 0←1←1 | 2←0←0 | 2←0←0 | 5←5←5 |
内野手 | 7←7←5 | 7←5←7 | 3←2←3 | 3←2←2 | 20←16←17 |
外野手 | 1←2←4 | 5←2←7 | 0←2←0 | 0←0←0 | 6←6←11 |
合計 | 22←24←25 | 27←28←27 | 13←14←15 | 7←6←2 | 69←72←69 |
大学生の投手は昨年から5人減ったが、一昨年からは3人程度増えており、例年並の数だった。(昨年が多かった)
投手は全体で7人減少しているが、育成では5人増えており、全体的には例年並みの人数だった。
内野手が4人増えており、大学生、社会人、独立でそれぞれ増えている。
育成ドラフトの指名人数
小さい文字は昨年・一昨年の指名人数
高校 | 大学 | 社会人 | 独立他 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
投手 | 21←14←16 | 4←5←10 | 0←0←0 | 5←6←5 | 30←25←31 |
捕手 | 0←2←1 | 2←0←3 | 0←0←0 | 4←1←1 | 7←3←5 |
内野手 | 8←8←8 | 1←1←2 | 0←0←0 | 3←5←1 | 12←14←11 |
外野手 | 4←2←2 | 2←1←6 | 0←0←0 | 0←5←2 | 6←8←10 |
合計 | 33←26←27 | 9←7←21 | 0←0←0 | 12←17←9 | 54←50←57 |
高校生投手の指名が大きく増え、高校生全体でも昨年より7人増えている。吉岡暖投手や井上剣也投手、金渕光希投手、茨木佑太投手など、支配下指名でもおかしくないような投手が育成での指名となり、高校生投手は今年は豊作だったと言える。
独立リーグの捕手の指名が4人となったが、独立リーグ全体では支配下も含めて昨年の23人から19人に減った。しかし、一昨年の11人からはかなり増えており、独立リーグの選手の指名が一過性なものではなく、ドラフト会議での存在感が増しているのがわかる。
カテゴリ別分析
高校、大学、社会人、独立リーグのカテゴリ別の指名順(支配下のみ)
()は全体順位
1位の1回目の入札は1番目、2回目の入札は5番目、3回目の入札は11番目、4回目の入札12番目となる。2巡目からは指名順となる。
順 | 高校生 | 大学生 | 社会人 | 独立リーグ |
1 | 石塚裕惺(5) | 宗山塁(1) | 竹田祐(5) | 加藤響(29) |
2 | 柴田獅子(5) | 金丸夢斗(1) | 伊原陵人(5) | 中込陽翔(32) |
3 | 斎藤大翔(11) | 西川史礁(1) | 吉田聖弥(14) | 若松尚輝(44) |
4 | 村上泰斗(11) | 中村優斗(1) | 宮崎竜成(19) | 町田隼乙(46) |
5 | モイセエフ ニキータ(16) |
麦谷祐介(5) | 木下里都(27) | 佐野大陽(51) |
6 | 藤田琉生(21) | 佐々木泰(5) | 荘司宏太(33) | 矢野泰二郎(57) |
7 | 今朝丸裕喜(22) | 渡部聖弥(13) | 石伊雄太(38) | 陽柏翔(64) |
8 | 山口廉王(34) | 寺西成騎(15) | 山中稜真(39) | |
9 | 森駿太(35) | 徳山一翔(17) | 江原雅裕(41) | |
10 | 狩生聖真(36) | 佐藤柳之介(18) | 東山玲士(58) | |
11 | 田中陽翔(40) | 篠木健太郎(20) | 片山楽生(63) | |
12 | 坂井遼(43) | 庄子雄大(23) | 立松由宇(65) | |
13 | 清水大暉(45) | 浦田俊輔(24) | 古賀輝希(69) | |
14 | 宇野真仁朗(47) | 荒巻悠(25) | ||
15 | 石田充冴(48) | 安徳駿(26) | ||
16 | 石見颯真(50) | 浅利太門(28) | ||
17 | 田内真翔(53) | 一條力真(30) | ||
18 | 菊地ハルン(55) | 岡本駿(31) | ||
19 | 高橋幸佑(59) | 林冠臣(37) | ||
20 | 篠原響(60) | 渡邉悠斗(42) | ||
21 | 龍山暖(61) | 宮原駿介(49) | ||
22 | 有馬恵叶(62) | 山縣秀(52) | ||
23 | 広池康志郎(54) | |||
24 | 吉納翼(56) | |||
25 | 坂口翔颯(66) | |||
26 | 山城航太郎(67) | |||
27 | 岩崎峻典(68) |
高校生
高校生の一番目は石塚選手と柴田投手、次が斎藤選手と村上選手となり、モイセエフ選手、藤田投手、今朝丸投手と続く。高校生の評価通りの指名順となっている。またドラフト1位指名は昨年の2人(横山聖哉、前田悠伍)から4人に増えた。
清水大暉投手は高校生で13番目、全体の45番目、宇野真仁朗内野手は高校生で14番目、全体で47番目だった。
大学生
大学生もいわゆるBIG4が1番目となり、重複数も宗山選手5、金丸投手4、西川選手2、中村投手1と事前の評価通りとなった。ただしドラフト1位全体では昨年は8人が指名されたが、今年は6人となっている。
大学生野手は麦谷選手と佐々木選手も1位で指名され、渡部選手、庄子選手、浦田選手が2位に入るなど24人までに7人が入った。
逆に吉納翼選手は大学生で24番目で全体の56番目と、東京六大学でこの秋に4本塁打を放ち、大学代表でもプレーしたが指名順は高くなかった。
社会人
社会人選手は昨年は度会隆輝選手一人だったが、今年は1位で投手2人が指名された。また、宮崎竜成選手、山中稜真選手、立松由宇選手といった野手が指名されたのは印象的で、昨年の佐々木俊輔選手や泉口友汰選手が1軍でプレーをするのを見て、社会人の野手をもっとチェックしなければという流れがあるのかもしれない。
また、社会人ではKGMホールディングスの木下里都投手、日鉄ステンレスの江原雅裕投手という地方にいる逸材が注目されて指名されたのも印象的だった。逆に名門チームはもっと選手を育ててプロに送り出しチームの新陳代謝を高めなければ、例えば高校生や大学生の選択肢で社会人野球が選ばれなくなったり、ドラフト会議における存在感も、独立リーグのほうが上回ってくるかもしれない。
独立リーグ
昨年は2位に2人の投手が入って注目されたが、今年は加藤選手が3位でトップ、しかし独立リーグの野手では史上最高の順位での指名となった。
コンスタントにドラフト上位指名選手が出てくるようになれば、ますますドラフト会議での存在感が高まり、高校生や大学生の進路の選択肢で独立リーグが選ばれる事が多くなるだろう。
ポジション別分析
順 | 投手 | 捕手 | 内野手 | 外野手 |
1 | 金丸夢斗(1) | 石伊雄太(38) | 宗山塁(1) | 西川史礁(1) |
2 | 中村優斗(1) | 山中稜真(39) | 石塚裕惺(5) | 麦谷祐介(5) |
3 | 柴田獅子(5) | 町田隼乙(46) | 佐々木泰(5) | 渡部聖弥(13) |
4 | 竹田祐(5) | 矢野泰二郎(57) | 斎藤大翔(11) | モイセエフ ニキータ(16) |
5 | 伊原陵人(5) | 龍山暖(61) | 宮崎竜成(19) | 林冠臣(37) |
6 | 村上泰斗(11) | 庄子雄大(23) | 吉納翼(56) | |
7 | 吉田聖弥(14) | 浦田俊輔(24) | ||
8 | 寺西成騎(15) | 荒巻悠(25) | ||
9 | 徳山一翔(17) | 加藤響(29) | ||
10 | 佐藤柳之介(18) | 森駿太(35) | ||
11 | 篠木健太郎(20) | 田中陽翔(40) | ||
12 | 藤田琉生(21) | 渡邉悠斗(42) | ||
13 | 今朝丸裕喜(22) | 宇野真仁朗(47) | ||
14 | 安徳駿(26) | 石見颯真(50) | ||
15 | 木下里都(27) | 佐野大陽(51) | ||
16 | 浅利太門(28) | 山縣秀(52) | ||
17 | 一條力真(30) | 田内真翔(53) | ||
18 | 岡本駿(31) | 陽柏翔(64) | ||
19 | 中込陽翔(32) | 立松由宇(65) | ||
20 | 荘司宏太(33) | 古賀輝希(69) | ||
21 | 山口廉王(34) | |||
22 | 狩生聖真(36) | |||
23 | 江原雅裕(41) | |||
24 | 坂井遼(43) | |||
25 | 若松尚輝(44) | |||
26 | 清水大暉(45) | |||
27 | 石田充冴(48) | |||
28 | 宮原駿介(49) | |||
29 | 広池康志郎(54) | |||
30 | 菊地ハルン(55) | |||
31 | 東山玲士(58) | |||
32 | 高橋幸佑(59) | |||
33 | 篠原響(60) | |||
34 | 有馬恵叶(62) | |||
35 | 片山楽生(63) | |||
36 | 坂口翔颯(66) | |||
37 | 山城航太郎(67) | |||
38 | 岩崎峻典(68) |
投手
全体の1位12番目までに6人、2位24番目までに13人が指名されており、約半分は投手となっている。
上位から下位までまんべんなく、高校・大学・社会人・独立の選手が散らばっており、社会人の投手でも下位で、育成を目的に指名されているような選手もいる。
捕手
捕手は社会人と独立リーグが多く、高校生は1人で大学生は0人だった。大学代表だった印出太一選手が指名漏れ、神里陸捕手はプロ志望をせず、厳しいドラフトだった。
全体でも最初の石伊雄太選手が全体で38番目と、飛び抜けた評価をされた選手はいなかった。
内野手
内野手は1位12人までに4人、2位24人までに7人が入り、高く評価された選手が多かった。カテゴリも高校、大学、社会人、そして3位指名の独立リーグ加藤響選手など、NPBの内野手の需要が多く、供給もそれに答える形となった。
後半の方でもU18代表の宇野真仁朗選手や大学代表の山縣秀選手、そして社会人の立松選手や独立リーグの選手などが指名されている。
外野手
2位24人までに4人が指名され、今年は外野手の注目選手が多かった年と言える。しかし全体での人数は例年並よりやや少なく、全体の人数は少ない中で注目選手が輝いていた年だった。


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