夏の甲子園で評価を上げた選手は?

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第100回全国高校野球選手権大会は、100万人を超える観客が訪れる大会となり、多くの高校生たちが最高のプレーを見せてくれました。この大会でプロのスカウトから評価を上げた選手などを見てみたいと思います。

根尾&藤原&小園&吉田

大阪桐蔭の根尾昂選手と藤原恭大選手は、今大会の前からすでにドラフト1位で消えると評価されていましたが、この日の決勝戦で、吉田輝星投手からバックスクリーンへのホームランを放った根尾選手、2本の2ベースヒットなど3安打を打った藤原選手に、千葉ロッテの下敷領スカウトは、「大会ナンバーワンの吉田との対戦でも結果を出した」と改めて評価した。

根尾選手は投手としては148キロを記録するものの、センバツほどの絶対的な投球ではなかった。しかし、遊撃手として守備力が非常にアップしており、打撃もさらに力強さを増した。野手としてさらに評価を上げた。藤原選手は今大会は不動の4番として3本のホームランを放ち、1番バッターだけでなく主軸としての可能性もさらに高めた。ともにプロのスカウトの評価を、さらに上げた。

報徳学園の小園海斗選手も、初戦で3本の2ベースヒットを放ち、打撃でかなり力強さを増した姿をみせ、もともと守備では根尾選手以上と評価されていた選手で、スカウトの評価も最高となった。その後、体調不良などもあり、珍しい三振もするなどしたが、評価は変わらない。しかし、ショートとして根尾選手と比べられる中で、根尾選手の活躍は目覚ましく、相対的な評価としてはやや根尾選手に差を着けられた感じもある。U18で巻き返しをしたい。

金足農の吉田輝星投手も、秋田大会の投球でドラフト上位指名もあるのでは、という感じだったが、この大会ではヒーローとなり、知名度も最高となり、ファンも多く持つ投手となった。もちろん、150キロを記録する速球や制球力、巧みなけん制やフィールディング、スタミナや気持ちの強さなどでも評価が上がった。身長は176cmとスケールとしてドラフト1位ではどうかという感じもあったが、プロのスカウトとしても1位指名して、球団もファンも納得できる投手となった。

評価急上昇

浦和学院の渡邉勇太朗投手は、190cmから149キロの速球を投げ、変化球のキレも素晴らしく、「12人に入る可能性がある」と評価された。この夏にもっとも評価を上げた投手となった。体の大きさやまだ伸びしろもかなりありそうな雰囲気で、プロのスカウトは吉田投手よりも渡邉投手を優先するかもしれない。

大阪桐蔭の柿木蓮投手も、昨年夏の甲子園でドラフト1位候補になれる投手と評価されたが、昨秋は130キロ台の投球を見せ、センバツでも目立つ投球ができなかった。夏前にミニキャンプのような形で体を鍛えなおし、その成果を見せる場になったが、今大会最速の151キロを記録したほか、先発としても制球力、変化球、マウンドさばきで相手を抑えていった。プロスカウトも改めて評価をするとともに、優勝投手という勲章を得てドラフト会議に臨むことができる。

高岡商の山田龍聖投手が、期待される球速面では大きくアピールする事はできなかったが、大阪桐蔭戦での投球は、左腕としての可能性を高めたのではないかと思う。大阪桐蔭の横川凱投手も、高校入学時に期待されたような投球は見せられなかったものの、最後の夏の大会で、大舞台でもしっかりと投げられた姿を見せアピールとなった。

打者では近江の北村恵吾選手は、1試合2本塁打に、常葉大菊川戦では4安打6打点の打撃を見せた。1年生で4番を打ち、すでに注目されていた選手だが、最後の夏の舞台でこの活躍を見せたのは大きく、横浜DeNAが高田GM、吉田スカウト部長で視察するなど右の大砲として評価を上げた。

常葉大菊川の奈良間大己選手も、静岡大会で打率.818を記録して甲子園に乗り込んだが、ホームランを放つなどスイングの鋭さがあり、ショートとしての動きも、レベルが高かった今夏の遊撃手の中でも光った。攻守ででプロを意識できる選手として見られたのではないかと思う。

その他にも147キロを記録した龍谷大平安の小寺智也投手、146キロを記録した佐賀商・木村颯太投手、聖光学院の衛藤慎也投手などは今後の可能性を大きくした選手だと思う。ただし、やはり今大会は投手では星稜・奥川恭伸投手や創志学園・西純矢投手、木更津総合・根本太一投手、日大三・井上広輝投手など2年生が注目された。野手では浦和学院の蛭間拓哉選手も守備と打撃で評価を上げたとみられる。

評価が変わらなかった選手

高校生選手を見るときプロのスカウトは、試合での姿勢や態度で問題がなければ、プレーの内容で評価を下げるという事はまずしない。

今大会では、花咲徳栄の野村佑希選手がしっかりとホームランを打つなど結果を残したが、もともと打撃の評価は高く、守備でどれだけできるかが注目された。しかし今大会はエース投手として投げ、その点を評価できなかった。智弁和歌山・林晃汰選手も和歌山大会から通じて評価を上げる事はできず、中央学院の大谷拓海選手も故障明けという状況もあり評価は変わらず。二人は甲子園では焦りもあったのか、打ち気が強く、低めのワンバウンドの変化球を空振りしていた。しかし、この3選手はもともとの評価が高く、ドラフト会議では比較的高い順位で指名されることになりそうだ。

野手では折尾愛真・松井義弥選手、龍谷大平安・松田憲之朗選手、横浜・万波中正選手、下関国際・鶴田克樹選手、木更津総合・野尻幸輝選手なども、それぞれ活躍は見せたが、評価は変わらずという所だろうか。

投手では山梨学院の垣越建伸投手が、こちらも故障を抱えながらという投球だったものの、ノックアウトという結果となった。また創成館の川原陸投手もノックアウトされた。垣越投手は140キロ中盤の速球を投げる左腕投手として評価は高く、川原投手も184cmの大型左腕として評価は高い。をどのように評価していくかが注目される。

他の選手が評価を上げる中で、評価が変わらないというのは相対的に評価が下がったよう雰囲気にもなる。しかし、プロのスカウトは練習なども含めて継続的にチェックし、素質を把握しながら将来像をイメージしてスカウティングをする。今大会で評価された選手はその評価で、今大会で評価されなくても、これまでの最高だった状態で評価され、秋のドラフト会議で指名されていく。

2018年夏の甲子園ドラフト番付
第100回(2018)高校野球選手権大会の出場校と注目選手(大会前)
侍ジャパンU18日本代表メンバー(2018)
今日のプロ志望表明

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