全国高校野球選手権兵庫大会は4回戦が行われ、明石商業の先発左腕・石原大暉投手(3年)が三木を相手に無安打無得点試合を達成した。5者連続を含む毎回の15奪三振と圧巻の投球でチームをベスト16進出に導いた。5回戦の相手は、昨秋から県内無敗で近畿大会を連覇している東洋大姫路に決まった。
「力感なく投げることを最優先」15奪三振の快投
派手なガッツポーズも雄叫びもない。大記録を達成した石原大暉投手は、最後の打者を空振り三振に仕留めると、淡々と整列に向かった。「力感なく投げることを最優先にしていた。ノーヒットノーランの意識は特になくて、最後だけちょっとありました」と、冷静に自身のピッチングを振り返った。
その投球内容は圧巻だった。立ち上がりからキレのあるストレートと変化球で相手打線を圧倒。許した走者は2つの四球のみで、二塁すら踏ませなかった。5回先頭からは5者連続で空振り三振を奪うなど、終わってみれば毎回の15奪三振。まさに相手を寄せ付けない投球だった。
左肘の怪我を乗り越え、フォーム改造で進化
昨夏は背番号18でチームの兵庫大会準優勝に貢献した石原投手。しかし、昨秋に左肘を痛め、投球を再開できたのは年が明けてからだった。この悔しさをバネに、フォーム改造に着手。狭間善徳監督から「1回でねじって(力を)ためなさい」という助言を受け、セットポジションから振り上げる右足の動かし方を変えた。これにより、2段モーション気味だったフォームが修正され、上体に無駄な力が入らなくなったという。
ゆったりとしたフォームから繰り出されるボールの質は向上し、最速は3キロアップの144キロを計測。「春からの成長を感じています」と、石原投手は確かな手応えを掴んでいる。指揮官も「元々いいものは持っているんでね」と、その才能に期待を寄せる。
次戦はV候補筆頭・東洋大姫路「やるだけです」
試合後の再抽選の結果、5回戦の相手は優勝候補筆頭の東洋大姫路に決まった。昨秋、今春と近畿大会を連覇している強敵との対戦にも、石原投手は「どこかで当たる。やるだけです」と短い言葉に闘志をみなぎらせた。昨夏は背番号1を背負った横山康瑛投手や、今大会1番を打つ仁井田快梨投手ら、同期のライバルと共に、まずは大きな山を越えにいく。
石原大暉投手 プロフィール
- 氏名:石原 大暉(いしはら だいき)
- 生年月日:2007年12月30日
- 出身地:兵庫県加古川市
- 経歴:加古川ドリームハーツ(小3) – 志方中学校(軟式野球部) – 明石商業高校(3年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:173cm・75kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:2025年夏の兵庫大会4回戦でノーヒットノーランを達成(15奪三振、2四球)。最速144キロの左腕。昨秋に左肘を痛めたが、フォーム改造を経て復活。明石商業では1年秋からベンチ入りし、今夏は背番号11。



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