2021年のドラフト会議では、大学生投手では西日本工業大の隅田知一郎投手に4球団の指名が重複し、NO.1投手となった。東北福祉大・椋木蓮が単独1位指名、外れ1位では法政大・山下輝投手、関西国際大・翁田大勢投手、関西学院大・黒原拓未が指名された。
野手ではブライト健太選手が唯一1位で指名され、大学NO.1野手となった。そんな大学生の評価の変遷を振り返る。
1、2年
清宮世代と呼ばれた世代が大学に入学する。
東京六大学では早稲田大の徳山壮磨、明治大の磯村峻平と竹田祐、立教大の川端健斗といった1年生が4月に早くもデビューし、法政大・三浦銀二も3回2安打1失点の投球で神宮デビューを果たした。法政大には古屋敷匠真選手、山下輝投手というプロも注目した投手がおり、その先陣を切った。そして、早稲田大の徳山壮磨と西垣雅矢は六大学の華・早慶戦で登板し、2人で延長11回を無失点に抑え、全勝優勝を目指した慶応大に1敗をつけた。
夏の侍ジャパン大学代表合宿では、東北福祉大の三浦瑞樹が、候補メンバーに選ばれ、甲斐野央、松本航、森下暢仁の中にまじって力のある投球を見せていた。
秋になると、さらに1年生の活躍が見られる。関西学生リーグでは、関西学院大の1年・黒川拓未が、近大戦で10回1失点、最速147キロを記録すると、横浜商大の飯田琉斗は186cmの長身から150キロを記録する。中央大は皆川喬涼、古賀悠斗のバッテリーで、上茶谷大河投手、甲斐野央投手、梅津晃大投手が登板した東洋大戦に勝利した。
春に2勝0敗の成績を残した法政大・三浦銀二は、秋は3勝1敗、防御率1.99で堂々のリーグ2位の成績を残し、東京六大学のスターに躍り出た。首都リーグでも筑波大の佐藤隼輔が3勝0敗、防御率0.00で首都リーグ1位の成績を残す。高校時から注目された左腕が早くも結果を残し始めた。
2年
中央大の皆川喬涼が3月のオープン戦で156キロを記録する。東北福祉大の椋木蓮もリリーフで140キロ後半の速球を投げた。東京六大学では三浦銀二が2勝4敗と苦しんでいた。
夏の侍ジャパン大学日本代表合宿では、筑波大の左腕投手・佐藤隼輔と東農大北海道の捕手・古間木大登、外野手では明治大の丸山和郁、慶応大の正木智也、神奈川大の梶原昂希が合宿に呼ばれる。
丸山は春に打率が3割を越え、7盗塁を記録した。正木も春に打率.324、2本塁打、6打点の活躍、梶原は1年秋に打率.400で2本塁打など、2年春まで3季連続で2本塁打を放っていた。古間木は大会前の大学野球選手権での活躍が評価され、追加招集された。
最終的にメンバーに選ばれたのは佐藤隼輔と丸山和郁の二人、佐藤は日米大学野球5試合全てにリリーフで登板し、第5戦で2回を投げて1失点したが、その他の4試合では1イニングを無失点に抑え、優勝に貢献している。

秋にも注目選手が現れた。新潟医療福祉大の桐敷拓馬は最速146キロの速球を投げ、延長10回ながら1試合18奪三振を記録する。本庄東出身で高校時も1試合19奪三振を記録している左腕が力を見せ始めた。

明治神宮大会では188cmから149キロの速球を投げる金沢学院大・松井友飛が2試合に先発し、九産大戦ではノックアウトされたものの、関西大戦では5回6奪三振2失点と力を見せた。

この大会では決勝で慶応大と関西大が対戦する。大久保監督の最後の試合で燃える慶大は、ボンバー・高橋佑樹が7回までパーフェクトピッチングを見せる。しかし、8回に2年生の野口智哉が初ヒットで完全試合を阻止した。試合に破れたものの、野口は2年間でリーグ通算63安打を記録し、その力がすでに評価されていた。


その冬には来年の侍ジャパン大学代表のための候補合宿が行われる。投手では中央学院大の古田島成龍、慶応大の森田晃介、明治大の竹田祐、早稲田大の徳山壮磨、金沢学院大の長谷川威展、そして経験者の佐藤隼輔も招集される。
捕手では古間木大登の他に、早稲田大の岩本久重、中央大の古賀悠斗、内野手では関西大の野口智哉、外野手では慶応大の正木智也と仙台大の川村友斗が招集された。
この合宿を経て来年3月の合宿参加メンバーが発表され、古田島成龍、森田晃介、徳山壮磨、佐藤隼輔、岩本久重、古賀悠斗、野口智哉、正木智也が残るのだが、3月にその合宿は開催されなかった。
新型コロナの影響による。



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