東都大学リーグは21日、亜細亜大学が延長10回タイブレークの末、青山学院大学に1-0でサヨナラ勝利した。ドラフト1位候補同士の投げ合いとなったこの試合、亜大のエース・齊藤汰直投手(4年=武庫荘総合)が9回を2安打11奪三振無失点と圧巻の投球を披露。青学大のエース・中西聖輝投手に投げ勝ち、ドラフト直前に最高の形でアピールした。
エース対決を制す圧巻の9回11K
まさに意地と意地のぶつかり合いだった。同じくドラフト1位候補の青学大・中西聖輝 投手との投げ合いとなったマウンドで、齊藤汰直投手は最高のパフォーマンスを見せた。5回までパーフェクト、7回に初安打を許すまで無安打投球を続けるなど、王者・青学大打線を完璧に封じ込める。9回を投げ抜き、許した安打は内野安打2本のみ、11個の三振を奪う131球の熱投だった。「勝ちたい一心で投げていた。1点を取られたら負けだと思って投げた。本当にほっとしている」と、試合後は安堵の表情を見せた。
2度の完投負けを乗り越え、掴んだ勝利
この快投の裏には、前週の悔しさがあった。国学院大学戦で2試合連続の延長タイブレークでの完投サヨナラ負けを喫し、「正直、2日間ぐらいボーっとした感じでした」と、精神的なショックは大きかった。しかし、「この青学大戦が大事だと分かっていて、チームの士気も落ちずにやれていた」と、気持ちを切り替えて臨んだ大一番で見事に雪辱を果たした。
ロッテ、カージナルススカウトも絶賛
ドラフト前最後の登板で披露した圧巻の投球に、ネット裏のスカウト陣も賛辞を惜しまなかった。
千葉ロッテ・福沢スカウト:「リリースポイントが高くなっていて思い通りに投げられているように見える。真っすぐはスピン量が多く、低めで垂れない」
カージナルス・大慈彌スカウト:「下半身の使い方がいい。一塁側に流れていかない」
ドラフトへ「チームが勝って、良い結果が」
ドラフト会議を2日後に控え、最高の形でアピールを終えた。「いまはそこに意識は向けられませんが、そのときになれば、ドキドキすると思います」と本人は語るが、その評価は確固たるものになった。まずはチームの最下位回避へ。「チームが勝って(ドラフトも)良い結果になれば」。仲間を信じ、運命の日を迎える。
齊藤 汰直 プロフィール
- 氏名:齊藤 汰直(さいとう たいち)
- 所属:亜細亜大学 4年
- 出身:兵庫県立武庫荘総合高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:182cm・85kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト上位候補。最速152キロの本格派右腕。日米大学野球日本代表。ドラフト1位候補対決を制し、9回2安打11奪三振無失点の快投。





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