ドラフト総決算2011 ~第4章~

 春の大学リーグ戦はBIG3は着実に成績を残す。東京六大学リーグでは野村祐輔が5勝、東都大学リーグでは藤岡貴裕が5勝、首都大学リーグでは菅野智之が6勝で防御率0.42をマークする。しかし菅野は日体大・辻孟彦が10勝を挙げる大活躍で優勝を逃してしまう。  東京六大学では慶大が優勝を果たすが、その中心は伊藤隼太だった。開幕戦となる立大との3試合で2本塁打を放つと4本塁打を記録、打点は17、そして打率は.405、あとヒット1本で首位打者となり3冠王が確定していた準三冠王の活躍でリーグ制覇を果たした。

 東京六大学、明大の対戦が終わった5月25日、広島が動く。松田元オーナーも参加したスカウト会議終了後、苑田スカウト部長から「野村に一本化しました」と野村祐輔投手1位指名のコメントが出された。巨人に続く逆指名に他球団にも動揺が走る。

 大学日本選手権、東京国際大の伊藤和雄が躍動する。初戦の龍谷大戦で完投すると準々決勝の日体大戦では辻孟彦と投げ合い1-0で完封勝利を挙げた。準決勝の慶大戦でも序盤は好投を見せたが連投の疲れもあり力尽きた。その慶大・伊藤隼太は突然のスランプに見舞われた。チームは準優勝を果たしたものの打率.231、打点、本塁打は0だった。優勝をしたのは東洋大、BIG3で唯一出場した藤岡貴裕は大会新記録の49奪三振にあと1つの48奪三振を記録、大学選手権連覇でNO1左腕投手ではなくNO1投手となった。

 この大会中に千葉ロッテが藤岡貴裕投手の1位指名を公表、横浜、オリックスも高い評価をする。

 高校野球でもヒーローが出現する。春季関東大会に12球団のスカウトが集まる。視線の先には東海大甲府・高橋周平がいた。ここまで高校通算59本塁打、大型遊撃手として評価が急上昇し中日の中田スカウト部長は「これまで見た高校生の中でトップクラス」と漏らした。
 埼玉西武と福岡ソフトバンクのスカウトは九州各地を廻っていた。宮崎の宮崎日大・武田翔太、佐賀の唐津商・北方悠誠、長崎の波佐見・松田遼馬、鹿児島の樟南・戸田隆矢などにライバルと呼ばれる両球団が競い合うように高い評価のコメントを出し続ける。
 阪神は伊藤隼太選手の1位指名をほぼ決めていたが迷いが生じる。不調に陥った伊藤選手の代わりに高橋周平選手、菅野智之投手の評価が急上昇し本命がわからなくなった。その中で沈黙を守った北海道日本ハムは、ある投手の指名を決めていた。

中日 福岡SB 東京ヤクルト 北海道日本ハム 読売 埼玉西武 阪神 オリックス 広島東洋 東北楽天 横浜 千葉ロッテ
高橋周平 九州の高校生 藤岡貴裕
高橋周平
???? 菅野智之 高校生 伊藤隼太
高橋周平
菅野智之
藤岡貴裕 野村祐輔 藤岡貴裕
野村祐輔
藤岡貴裕 藤岡貴裕

 

 都市対抗野球の開幕が秋に延期されたこの夏、アマチュア野球の視点は高校野球1つに集まる。7月、各地の予選で熱戦が繰り広げられた。注目を集めたのは東洋大姫路・原樹理と英明・松本竜也。原投手はわき腹、肩の痛みに襲われながらも勝ち上がると、決勝の加古川北・井上真伊人と延長15回の投げ合い、196球を投げるも決着はつかず引き分け再試合となる。その試合ではわずか89球、2安打で完封勝利、見事甲子園出場を決めた。
 英明・松本竜也は大型左腕として注目されながらも結果が出せずにいたが春に急激に成長、試合をするたびに視察するスカウトの数が増え、12球団のほかメジャー3球団も注目するようになっていった。こちらも甲子園出場を決めた。

 その中、広陵が3回戦で敗れる波乱、注目のスラッガー、丸子達也選手は早々と大学進学を表明した。その他149kmの速球に注目が集まる足立学園・吉本祥二投手は臨んでいた帝京との対戦の前に敗れるとプロ志望を表明した。そして、最後の夏に甲子園初出場をかけていた高橋周平だったが、準々決勝で姿を消す。通算本塁打は70本、気持ちはプロへと決まっていたものの全国大会の経験が無く、気持ちの中であと一押しを欲しがっていた。

 続く


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