東都大学野球春季リーグでは、史上初の7季連続優勝を目指す青山学院大(青学大)が中央大に8-0で大勝。開幕3連勝を飾った。マウンドでエースの貫録を見せつけたのは、今秋のドラフト1位候補筆頭、鈴木泰成投手(4年=東海大菅生)。NPB12球団にメジャー3球団を加えた計15球団のスカウト陣が熱視線を送るなか、8回99球、3安打無失点の圧倒的な支配力を見せ、節目となるリーグ通算10勝目を挙げた。
8回99球の快投、通算10勝にも「気にしない」
鈴木泰成投手にとって、この日の投球はまだまだ通過点という感じだった。初回から150キロ超の直球を軸に、カーブやチェンジアップを織り交ぜて中大打線を翻弄。3回に2者連続四球を与える場面もあったが、動じることなく後続を断ち、8イニングで二塁も踏ませない完璧な投球を披露した。球場表示で152キロ、スカウトのスピードガンで153キロを計測したが鈴木泰成投手は、「0で抑えたのは評価していいんですが、今日はボールの調子的にはちょっとスピードを意識したり、強いボールを意識しすぎたせいで、少し歯車が狂ってしまった。ストライクとボールがハッキリしていた。そのせいでバッターも狙いやすく、三振もいつもよりだいぶ少なかった。細かい変化球をもっと突き詰めていかないと、という反省が出ました。」と、4奪三振にとどまった内容を厳しく振り返った。
リーグ通算10勝目についても、「そんなに勝っているんだぐらい。前回登板後に9勝目と言われて、そうなんだという感じだったので、そんなに気にしていないです。」と、個人の記録よりもチームの勝利を優先する姿勢を貫いた。安藤寧則監督(48)も「悪いなりに、うまくまとめられるのはさすが(日刊スポーツ)」と、エースの修正能力に全幅の信頼を寄せている。
日米15球団が集結、ロッテ・日本ハムのスカウトが高評価
ネット裏にはNPB全12球団とMLBの3球団も視察に訪れた。今秋のドラフト会議において「1位指名」が確実視される鈴木投手について、スカウト陣からは最大級の賛辞が送られた。特に注目されたのは、長いイニングを安定して投げ抜く「総合力」と、将来的な「上積み」だ。
千葉ロッテ・榎康弘アマスカウトディレクター:「総合力が高い投手。前回登板は変化球が多かったけど、今回は直球で押していた。彼本来の投球ができていた。途中で制球に苦しんだところもあったけど、修正してしっかりとゼロに抑えている点はすばらしいし、マウンドさばきも良い。レベルの高い投手。(1位候補に)入ってくるでしょう。」
北海道日本ハム・伊藤剛スカウト:「真っすぐにフォークもいいし、ポテンシャルは高い。全国を見渡してもトップクラス。」
187センチの長身から放たれる角度のある直球に加え、フォームの柔らかさやポテンシャルも高く評価し、今年のドラフト会議の主役であることを再認識させるマウンドとなった。
7連覇への執念、1学年上の右腕・中西聖輝の背中を追うラストイヤー
鈴木投手の心を支えているのは、昨年までエースとして君臨した中西聖輝投手(現中日)の存在だ。「1戦目の大事な試合を任せていただくので、絶対勝たなきゃというプレッシャーはあるんですけど、それを楽しめるように。中西さんが言っていたように、チーム全員で守るというのを意識して、一人じゃないんだと思って投げています。あまり責任は感じすぎないように、というのを意識しています(スポーツ報知)。」
チームは開幕カードの亜大に連勝し、この日の中大戦でも投打が噛み合っての完勝。しかし、鈴木投手「どこかで絶対に1点差とかビハインドとか、苦しい試合がくる。そこで今まで以上の力を発揮できるよう、勝っているからこそ気を引き締めていきたい。」と話す。戦国東都で7連覇を目指す王者のエースとして、油断も隙もつくらない。エースとしての覚悟を見た。
【鈴木 泰成】 プロフィール
- 氏名: 鈴木泰成(すずき・たいせい)
- 所属: 青山学院大学(4年)
- 出身: 茨城県(勝田野球スポーツ少年団-友部リトルシニア-東海大菅生高卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 187cm、91kg
- 主な特徴や実績: 最速154キロを誇る大学球界屈指の本格派右腕。3年時に大学日本代表。2026年春季リーグ中大戦で8回無失点の好投を見せ、リーグ通算10勝目を達成。スプリット、カーブ、チェンジアップを操る、日米15球団が注目する2026年ドラフト1位候補。















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